落差 4M
「明王の滝不動尊」というのが正確な名前らしい。
この滝の存在は地元の里山の本を図書館で眺めていたときに偶然知ったんだが、見ての通り、修行用の打たせ滝で 滝としての評価は微妙なところだ。しかしながら なかなか趣があって面白いと思うし、わしは割と気に入ってしまったな。
滝の傍には不動明王をはじめ 亀に乗った観音様や怪しげな仏像などがたくさん鎮座されている。 例えば「鼓の滝」のある龍蔵寺みたいに 参拝者に喜んでもらおうと御影石で作られた新しい仏像をたくさん投入するところもあるんだが ここはそういう感じじゃなくて年季が感じられる。いかにも地元の世話人や信者がどこからか持ってきて奉納した、というような素朴な雰囲気だ。
滝の前には観音堂、少しはなれたところに恐らく禊用の着替え小屋みたいなものもあって この滝が見世物ではなくて本格的な修行の場だということもわかる。 さすが古都、山口というか 町から外れた山の方ではまだまだこういう密教めいた信仰の対象があるんだなあ・・・
こういう雰囲気の滝は 例えば豊浦町の「石印寺・鳴滝山竜泉寺・鳴滝」や下関市の「四王司山・毘沙門の滝」、「音無神社・御滝」、そのほか県内にもいくつかあるんだが、ここの打たせ滝は良い意味で俗されて無いと言うか 資本主義に汚されていないというか 変に観光地化されてなくて実に風格があると思う。 比べちゃ悪いが 近くにある「音羽の滝」よりは数倍は滝らしい。
なんでこれほどの信仰の対象が地図にも載らずネットでも引っかからず、まるで知名度が無いのか 不思議でならないな。
あまり有名になって商業主義に走るのもイヤだが もう少しくらいは有名になって参拝客が来てもいいんじゃないかな? とりあえずお地蔵さんとか観音様とか そういう石仏が好きな人にはオススメじゃ。(そんな人 いるのかな・・・?)
ココは地図にも載っていないが 割とわかりやすい場所にある。
国道9号を県庁から宮野方面に進み、瑠璃光寺を過ぎて「七尾山トンネル」を抜けた直後の「江良」の信号で左折、(宮野方面からだと雪舟庭の先で右折) そのまままっすぐ進むと「明王の滝不動尊」と書かれた看板がある。
ここから未舗装の林道を900M進むと突き当たりに怪しげな民家風の建物がポツンとあって この裏が不動尊だ。
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(追加情報 06.03.27)
代休をもらった先日、不注意で追突事故などを起こしてしまったんで 近くにあったこの滝を厄払いの意味を込めてお参りしたんだが、前々から気になっていたこの滝の上段を確認してきたぞ。
滝の右手、お堂の裏に山道があって それを登ると「明王の滝」の真上に行くことが出来るんだが そこまで行けばこの滝の上の段を見ることが出来るぞ。
落差はだいたい8Mくらいと思われるナメ滝が流れているが この滝は下の滝に対してほぼ90度で折れ曲がっているから 下からでは見ることが出来ないわけだ。
滝と言うよりは「沢」と言ったほうがいいのかもしれないが 下の修行用の滝と一度に見ることが出来れば 北九州の「畑観音の滝」のミニミニ版みたいな趣もあって 2段15メートル程度のそこそこ見栄えの良い滝になると思うんだがな。 そこのところがちょっと残念だ。
まあ、この上段の滑滝に比べれば 下の滝のほうが大きな樋が無粋だが全然滝らしいんで あえて無理して山道を登ってまでして見る必要もないかと思うぞ。
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