落差 25M
「防長四十八滝」によると
「水量には恵まれていないが25Mの高さと 岩壁や樹木にカバーされた悪くない滝」とあったんだが 実は須佐町には何度も来てはいるんだが、この本を見るまではこんな場所にそんな滝があることなど全く知らなかったんで、さっそく見に行ってきたぞ。
須佐町の「唐津」という場所は 須佐大橋の真下に位置するんだが、昔、この焼き物が行われていた場所ということで 当時の「登り窯」が街の文化財として保存されている。
観光情報で「唐津の滝」を調べようと思っても おそらくは無理なんで、ここに来ようと思ったら「唐津焼跡」という案内を調べたほうが判りやすいだろう。
ちなみにこの唐津焼は あの「一楽・二萩・三唐津」の唐津焼とは直接関係ないと思うんだが、要するに「唐から伝わった焼き物」という意味があるみたいだ。
今は若い人がこの唐津焼を再現した店を出しているみたいで 近所のおばちゃんの話によると この滝に至るケモノ道も散策コースとして活用できるように草を刈ったりして整備する構想もあるんだそうな。
で、滝に向かう山道なんだが、案内板も何も無いんで地元の人に聞いてようやく確認したぞ。
上の登り窯のちょうど対面に 作業小屋があるんだが そこから誰かの墓を見ながら進むと 小川に沿う形で小さなケモノミチを発見。これが滝につながる登山道だ。
ここで注意しなければならないのは登山道入り口に飼われている「チョロ」なる犬だな。 知らない人を見るとやたら吼えまくるし、「シッシッ」と手で追い払うと逃げるものの、油断すると死角からガブリと噛み付かれるぞ。
まあ、番犬だから吼えたり噛んだりするのは仕方が無いんだろうけど・・・この犬をかいくぐって進まないと滝を見るのは不可能だから覚悟を決めよう。
・・・とりあえず 噛まれたら痛かったぞ (T-T)
滝に向かう小道は狭い上にガレていて 足元が多少危なっかしいが、注意しながら進もう。 横の沢は確かに規模は小さいが 途中でちょっとした落差の滝や淵があって趣はあるぞ。
本滝の少し手前に十メートル程度のナメ滝と 水量は滴る程度だが壁から垂直に数メートルほど落ちる雌滝があるんだが わしは最初、てっきりこれが「唐津の滝」だと思ってしまったな。
ナメ滝の岩を少し登ると 古い祠があって その横に筋は細いが綺麗な一条の滝が見える。これが「唐津の滝」だ。
パッと見、10Mくらいなんだが良く見ると3段構造になっていて、全体像を一目で見るのは不可能っぽいな。
祠のほうから見上げると上の段の流れは はるか遠くまでつながっているのがわかるが 全体で考えると25Mとはいわず数十メートルはありそうだったな。
今はまだまだマイナーな滝ではあるが 姿がなかなか綺麗だし、全然観光化されていない山や沢の雰囲気といい、唐津焼という文化的な背景や 滝のそばに作られた祠など、昔から集落の人々に愛されてきた滝なんだなあ、と しみじみ感じることができたな。
派手ではないが「侘び 寂び」という言葉が良く似合う 良い滝だと思うぞ。
※この記事は須佐エリアが未曽有の被害を被った平成25年の大水害以前に書かれたもので それ以降 この唐津エリアには訪問する機会がないため「唐津の滝」がどうなっているのか 確認はしておりません・・・
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