美川エリアを後にして次にやって来たのは 錦町の木谷峡。
「鹿落ちの滝」や「初瀬の滝」などの滝の密集地帯としても有名な渓谷なんだが 未だ見学できてない滝が二つ・・・島の谷沢に流れ落ちるという「大滝」と「黒滝」の調査が今回の目的だったのじゃ!
紅葉の名所として知られる「宮もみじ」の少し手前の道路沿いに「黒滝」とだけ書かれた看板を見ることができる。
矢印のほうに目をやると 確かに川を挟んで対岸に支流から流れ落ちる段瀑らしきものがあるのがわかる。
観ようによっては総落差も結構あるし これが「黒滝」だと勘違いする人がほとんどだと思うが 実はこの流れは単に「島の谷沢」と本流との合流地で 実際の黒滝はこの沢の100Mくらい上流に流れ落ちているらしい。
Google EARTHやGoogle MAPの航空写真で見ると 沢からだいぶ奥に進んだところに「黒滝」の表記があることがわかる。わしの所有する「防長四十八滝」の記述によれば 黒滝は上段17M、中段22M、下段15Mの3段構造で 総落差で50Mを越えるかなりの規模のものだそうな。
道路から「黒滝」の看板方向に見ることができるチョロチョロの段瀑とは全くの別物だということもお判りいただけよう。それならそれで そういうことがわかる看板の一つも出しておくべきだと思うんだが・・・たぶん「黒滝」を観光資源にしよう、という考えは全くないんだと思う。
それだけの落差のある滝であれば この川の合流点からアクセスしようとしてもそれ相当の沢登りの技術が必要だと思うが 今回はドローンを持ち込んで上空から黒滝の全貌が撮影できないか?と企んで来たんだが・・・
結論から言えば 沢沿いのルートは木々に覆われていてドローンを飛ばせるような開けた場所がなかったことと、100Mくらい先の目視ができない場所にトイドローンを飛行させて 見失ったりカラスに襲撃されたりしたら泣くに泣けないこと、などの理由で結局 断念せざるを得なかったな。
仕方ないんで この黒滝は諦めて「島の谷沢」の最上流にあるという「大滝」の調査に向かうことにしたぞッ!!
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「島の谷沢」の上流にはかつて「島の谷」と呼ばれる集落があって そこに「大滝」が流れ落ちているらしいんだが、旧・島の谷集落には「宮もみじ」より少し先、香椎神社手前の林道「島の谷線」をグイグイ登っていくことになる。
これも滝友、じんじんさんのブログを参考に訪ねてみたんだが、林道を数キロ進むと 沢の最上流手前に林業の機材や作業小屋のある場所があって 林道の左手に下に降りるための入り口だけコンクリで固められた道があることがわかる。
ひとんちの敷地だから勝手に侵入していいのかどうか、と思っていたが たまたまGWだからか、数人の作業服の方が集まって宴会を開いていたぞ。
こんな人が来ないような林道に黄色い軽自動車が行ったり来たりしていたんで不審に思われていたようだが 思い切って「この辺りに滝が落ちていると思うんですが・・・」と断ってお邪魔することに成功。
作業服のおじさんに話を聞くと 最近自分たちも近づいてないけど 確かに小屋の後ろの沢にそれらしい滝があるらしい。ただし「大滝」という名称は知らなかったみたいだが・・・
作業小屋の後ろを進むと
このような大岩が鎮座していて なにやら祠が祀られていたな。
そこから少し斜面を登って
今度は雑木に掴まりながら 腐葉土の斜面をズルズルと滑りおちていくと・・・
滝、発見んんん!
大きな一枚岩を垂直に流れ落ちていく こちらが「大滝」。
防長四十八滝の記述によれば島の谷大滝の落差は15Mほどらしいが どうみても数メートルってところかな?
じんじんさんのブログにも書かれているけど 滝つぼに大きな岩が堆積していて落差が縮まってしまったような感じだな。もし岩がなければ10Mくらいの高低差はあったのかもしれん。
滝見を終えて先ほどの作業場のおじさん達にお礼のあいさつに出向いたら「写真を見せてほしい」と奥様達に言われたりして しばし滝談義など。
「ところで下の黒滝はご覧になられたかね?」とか聞かれたんで 「いやぁ、川を越えてそこからだいぶ沢を登らなきゃいけないんでしょ?」と答えると
「う~ん、川を上らなきゃいけないけど 100Mくらいじゃたどり着けんのじゃないかねぇ・・・今は舗装された道が川の向こうに通っているけど 昔は川の手前にこの集落まで来る道があって 滝のそばを歩けたんだけどねえ・・・」
と、いう話を聞かされたぞ。いつの時代の話なのかは不明だが このおじさんは間近に見たことがあるような口ぶりだったな。
・・・と、いうことは もしかしたら旧道の名残でも発見できれば 案外簡単にアクセスできるんじゃないのか?
そんな憶測の元、香椎神社の林道入口から少し進んだところにある神社が「なんか怪しい」と思っていたんで ちょいと散策してみることに。
昔の旧道があるとすれば たぶんこの神社も道沿いという立地だったのでは?と思ったんだが・・・
宮モミジの石碑の横からそれらしい道があって ここを進めば神社までは進めたんだが、
そこから先はやはり道をロストしてしまい、あーだこーだと彷徨った挙句、、、
結論を言えば 道らしき痕跡を見つけてちょっと進んでみたものの、かなりエライ目にあって敗退・・・最後はズボンをびちゃびちゃに濡らしながら川を渡ることを余儀なくされてしまったな・・・
やはり沢登りの技術がない以上 単独での遡上は無理だろうし 雑木林の中を突っ切って探すにしても 先の「政次郎の滝」同様、クマとマムシとスズメバチの危険の少ないと思われる冬から春先の季節を選ばないと無理だろうな・・・
ら、むぅぅぅぅ・・・(-_-)
BARA師匠、お早うございます!
返信削除木谷峡>ずいぶん近所にいらしてたのですねw岩国も労力と危険さを惜しまないなら結構な秘境はあると思いますが高齢化で情報が失われてしまい勿体無いですね。伝承を頼りに現地を彷徨うのは好物です。
木谷峡は吉川林産工業の私有地だったと思います。関係者なら何か詳しい話が聞けるかもしれませんね。
内緒話>割と最近、根笠の辺りは2日かけて練り歩いた事があります。クマは見ませんでしたがやはりこういう場所はマムシが多いですね。
近くにクマがいると凄い獣臭がするらしいですよ(笑)
Vein氏>木谷峡を管理している会社があるんですね・・・吉川林産のHPを見ましたが岩国藩主吉川氏の末裔で所有者だったとは知りませんでした。
削除いーなー、キャンプし放題・・・(←そこ?)
イノシシでもけっこう獣臭がするんですが クマの場合 匂った時点で手遅れの可能性も高いですよね・・・