落差 約30M

宇部と美東を結ぶ国道490号から湯の口~小郡を結ぶ県道28号、小郡三隅線を進むと、小郡との境近くに「神崎」という集落があって この滝はその集落の奥に人知れず流れる滝だ。
この滝についてはToshioさんに情報を教えていただいて初めて存在を知ったのだが、全く無名の存在にもかかわらず30M近い落差を誇る立派な滝だったのには 正直驚いたな。これほどの滝が特に観光化されることもなく 殆ど無名に近い状態でひっそりと流れているのは 一にも二にも そのとっつきの悪さにある。
湯の口から小郡方面に進むと「美東イチゴファーム」(きららオーガニックファーム)という 割と目立つ施設があるのだが、道を挟んだ反対側に細い一般道がある。

この細い道を入ってすぐ右の民家のほうに進み、民家の下の未舗装の林道というか 作業用の道をさらに進むと 保安林の林道に行き着く。

この林道の分岐を右に登っていけば滝の上部にたどり着く登山道になっているらしいが、そこからだと落ち口の真上から望む形になって全景は見えない。
左に進むとすぐに茨の多い茂る藪道になるのだが 滝の全体を見るにはこちらをチョイスすることになる。ただし イバラの雑木林になるのでそれなりの服装と軍手はあったほうが吉。
川の流れを左に見ながらさらに進むと竹やぶに突入するが それを超えると目の前に巨大な岩壁に囲まれた開けた空間に出る。そこに流れ落ちているのが この神崎の滝だ。

滝の周辺は湿地帯になっていて 余程の覚悟がないと進入は難しそうだ。水の流れは細いが ほぼ垂直の岩肌を滑り落ちる見事な景観で 雨季にはそれなりの景観が望めそうだが 時期を選ばないとマムシの可能性は非常に高そう。
滝そのものも趣があるんだが わしはこの「屏風岩」とでも名が付いていそうな断崖絶壁が非常に気に入ってしまったな。道路側からではこのような場所にこんな空間があるなどとは全く想像できないんだが、こういう九州っぽい滝が山口のこんな場所にあるとは思わなかったぞ。
このあたり周辺は恐らくは私有地になるのではないかと思うのだが、案内板を立ててルートを整備すれば かなりの観光資源になると思うのだが・・・やっぱ場所が場所だけに観光化は無理かな?
周辺では小郡の「権現の滝」が形は近いのだが 見た目がスッキリしている分だけこちらのほうが上。美東町で一番メジャーと思われる「美東大滝」よりも数段はレベルの高い滝で 繊細さでは「薬王寺の滝」、迫力では「布滝」なんかと互角か 岩の景観を考慮すればそれ以上だと思うぞ。
※文章は掲載当時のまま。現状はどう変わっているか不明。
感想も滝散策を始めた当時のものなので誇大表現があるやもしれませぬ。(思い返してもこの滝が薬王寺の滝より上だとは思えないし・・・)