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2020年7月21日

【山口県の滝データ】下関市(旧豊北町)の滝・白滝山の滝(白滝・三味線滝・大岩ノ滝)

下関市豊北町大字粟野 白滝山
白滝山登山図(白滝山愛好会 機関紙より)
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【白滝】
落差 7M



山口県のトレッキング愛好家の間で人気の豊北町・白滝山にある滝。 
小さくて水量も乏しいが 標高500Mのところにあるにしては形が綺麗な滝で 「白滝山」の名前にもなっている。

さすがに水は青く透き通っていて 滝つぼにはアブラハヤがスイスイと泳いでいる。このサカナはいつからここにいるのか?いったいどうやってココまで上ってきたのか?食うものはあるのか?考えたら不思議でしょうがないぞ。

この滝を見ようと思えば 豊田町の西市から豊北町滝部に向かう県道の田耕地区から「白滝山登山口」の看板の指示に従って川を越える。正面に見える岩がむき出しの迫力ある山が「白滝山」だ。

細い道をどんどん東に進み山のふもとにある中山神社へ。四恩寺跡を見ながら登山を楽しむならココに車を置いて登るが 林道(未舗装)をしばらく登ると「洗濯岩」のある中腹の登山道があるんでここから登山。

滝だけを見ようと思えば そのまま未舗装の林道を進んで 山の反対側に出ればアップダウンなしで白滝に至る道があるが、この白滝山では白滝とともに「ゴルジュ」と呼ばれる岩の回廊は見ておいたほうが良いと思うぞ。

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※この記事は白滝山山頂手前に風力発電施設ができる前にUPしています。 
今は風力発電の開発で通された林道を使えば滝の手前まではラクラクでアプローチできるようになってます・・・


【三味線滝】
落差 左の滝=35M 右の滝=50M



白滝山にはゴルジュを通って白滝を見る「白滝コース」と この「三味線滝」を横切るコースがある。上でも書いたように「白滝山」ではゴルジュ地帯がキモなんで 殆どのハイカーが白滝コースを取るから こちらの方は人も通らず また去年の台風の影響もあって倒木や落石で道がかなり荒れている。

白滝山登山道の起点である中山神社からも「三味線滝コース」に行けるが この滝だけを目指すなら田耕より少し南下して 隣の集落の「小野」から小野川を横に見ながら進んだほうが早いぞ。ただし 「滝を見るだけ」と言ってもこの三味線滝に至るコースも「白滝コース」同様 けっこうハードなんで それなりの服装でトライしたほうが良いと思うぞ。

小野の集落から林道に入るところが「中山神社」と「三味線滝コース」の分岐点だが 普通車はココくらいまでが限界。4駆ならば植林地帯を抜けて滝の手前まで行けるようなことを本で見たが 実際は2004年の台風で倒木や地崩れが酷いんで 整備されるまでは無理だろうな。

この小野集落から三味線滝までは 普通に歩いて1時間強かかる。

実は以前にこの滝をトライしたことがあって そのときは下調べをしてもなかなか資料がなくて ネットでもなかなか写真を発見できず 「3条の滝」という知識だけを頼りに登っていたんだが、 「もういいかげんに到着しても良かろう」と思った時に「毛利家がこの林を購入した」という記念碑みたいなものを発見。 
ふと沢を見ると5Mくらいの落差で 見ようによっては3本の流れに見える滝を確認したんで、「これが三味線滝かぁ」と勝手に納得して引き上げてしまったのだ。てっきり3条の流れを毛利の「三本の矢」になぞっているのかと早とちりしたからな・・・

その後 ネットで偶然「三味線滝」の写真を発見したんだが わしの見たものとは似ても似つかぬものだったんで愕然としてしまった・・・という辛い経験があるのだ。
で、今回は「滝の落差は30M超」と「そばにお地蔵さんがある」ということをインプットして再トライして ようやく拝むことができたぞ。

真の「三味線滝」は「毛利の森林購入記念碑」から さらに険しい道を進み、ほぼ垂直の斜面をロープを使って登り 少し進んだところにある。



いやいや、苦労した甲斐のある立派な滝で良かったな。 

真ん中の滝がメインで右の滝は落差はあるものの水量も随分と少なく、左の滝は岩が湿っている程度だったな。ネットの情報どおり そばにある岩の祠の中に滝を見つめるお地蔵さんがいらっしゃったが 灯篭に刻まれている文字を読むと これは地蔵様じゃなくて「滝見観音」というらしい。

ちなみにココから400~500Mくらい登ると白滝山林道にでて そこから20分で白滝山の頂上まで行けるらしい。林道の何処に出るのかまでは確認していないが 林道から「三味線滝コース」の入り口がわかれば ふもとから1時間もの行程を踏まずに済みそうだな。

白滝山の登山をするのなら中山神社に車を停めて 上り下りで白滝コースと三味線滝コースを通れば良いと思うが 白滝山は道を見失いやすいコースが続くんで初登山の時は無理をしないほうがいいかもしれないな・・・。

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【大岩ノ滝】
落差 10M

白滝山愛好会 機関紙「白滝」より転写
渇水期(1月)の状態
平成18年6月に白滝山愛好会のメンバーによって確認された新滝。
平成18年の白滝山愛好会機関紙には「白滝山右又の滝」と紹介されているが 名前を公募中で、今(平成19年1月現在)では仮に「大岩ノ滝」と呼ばれているらしい。
(平成19年3月、公募により(?)「大岩ノ滝」に正式決定)

この滝は「白滝」の流れる沢より一つ隣の沢に流れていて、白滝山愛好会の会報によると かつてはこの滝を「上の滝」と呼び、その下流には「中の滝」「下の滝」が存在しているんだそうな。(ただし 中の滝と下の滝は源流が上の滝と異なっているらしい)

この滝へのアプローチは 白滝に向う登山道入り口(古堂橋)から林道を200mほど下ったところにある沢の入り口から進入し、約30分のルートを歩くことになる。道はしっかりしているし この滝に向うまでのルートは木々にビニールによる目印が付けられているから迷うことはない。 

かつては炭焼き小屋や植林のための林業用小道だったと思われるが ゴルジュコースほどの難易度は高くないものの、やはり沢を横切ったりするんで登山靴を推奨。



林道から登山道に入ってすぐ左手に 20mくらいの沢を見ることが出来る。ナメ滝というか 見ようによっては沢なんだが、これも岩盤を削って落ちていてそこそこ立派な滝だ。

もしかしたら白滝山で一番立派な滝ではないのか?という疑問もあるんだが、地図と比べても おそらくこれが「下の滝」ではないかと思うのだが・・・・

ただ、これが「下の滝」だとしても 「中の滝」にあたるような流れは確認できなかったな。もしかしたらこれも雨後にのみ拝むことの出来る代物かもしれないな。



この写真は上の「白滝山愛好会」会報から転写した画像と、わしが渇水期に撮影した写真を重ねたもの。

この愛好会の会報に記載された写真は「白滝山で新滝発見!」という見出しで山口新聞にも掲載されたんだが、その掲載から3日後にやってきたにも拘わらず、1月のシーズンでは 枯れてはいないものの ほとんど水は流れてなくて 思わず「詐欺じゃないか?」とショックを隠せなかったな・・・

この合成写真のような状態を拝むには やはり雨季に来るしかないと思うが、このあたりはガレと水場の組み合わせなんで 夏場の登山ではハチとヘビには注意が必要だと思う。

この滝のすぐ真上には白滝山山頂直下の登山道入り口があって「平成16年度 白滝山記念の森」の植樹公園がある。ココは車が数台駐車可能で ルートさえあれば滝へは200mも離れてないんだが 道が無い状態だから正確な場所を知らないとアプローチは不可能だと思われる。
ま、簡単にアプローチできるような場所にあるなら 今まで見つからなかったワケが無いからな・・・

今のところ この滝は古堂橋下の沢の入り口からアプローチするしかないし、「三味線滝」のルートも半分薮に埋まって なかなか「気軽に散策」という雰囲気でもない。
この「記念の森」からのルートが作られるとしたら、林道を通って「新滝」と「白滝」と「三味線滝」の3つが比較的近い距離で行き来できるようになって 手軽に楽しめると思うんだが 無理なのかな?

オマケだが、これは「ぬたが迫コース」の入り口から300mほど歩いたところにあった 岩を流れる小滝。
落差は3mも無いと思うが なかなか趣きがあって気に入ってしまった一品じゃ。

基本的に白滝山の滝は どれも流れが細いんで雨後の見学をオススメするが、メインの「白滝」だけは 水の流れは細いものの 何故かいつも一定の水量で枯れることは無いのが不思議だな・・・。

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【追加情報 2008年4月26日】

気が付けば この白滝山に次々と風力発電設備が立ち始め、最終的には20基もの風車が立ち並ぶらしいが、その恩恵として壮絶なガレ場だった白滝山林道が白滝まで綺麗に整備されていたぞ。

で、折角だから、ということで 地元の「白滝山愛好会」の手によって整備された「大岩ノ滝登山道」を登って ちゃんと水の流れる「大岩ノ滝」を見てきたんで ちょっと画像だけ置いておこう。




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ちなみにこちらが「大岩ノ滝」名称公募の際に
応募した記念として白滝山愛好会から頂いた機関紙「白滝」

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