(第103日目)奈良県上北山村~川上村~大淀町~明日香村~桜井市~都祁村
最初に言っとくが 今日はやたら画像が多いぞっ!
抜けるような青空で抜けるような底冷えの朝5時、
上北山村の
道の駅「吉野路上北山」にて起床・・・
いやいや、今日は朝から素晴らしい晴天に恵まれたな。 と、いうわけで今日は奈良県山間部の最後のチェックポイント、
「大台ケ原山」に登ることにしよう。
少し解説すると 「大台ケ原」は奈良県と三重県との県境に位置し、標高1695M。日本百名山の一つで三重県側に日本三大峡谷の秘境・大杉谷をもつ山だ。
「日本有数の年間降水量の山岳地帯」ということなんだが これほどまで晴れるとは、昨日の夕方 一旦は来ようと思ったんだが今日に延ばして正解だったな、ふふふ・・・
わしの地図によれば この大台ケ原は山頂までパノラマラインの県道が通じていて この道の駅からだと50分程度で山頂まで行けるんだとか。
百名山の山頂が そんなに簡単に行けるのなら これは登らない手はないだろう。おまけに紀伊半島もぐるっと見渡せるし、何より三重県で見るのを諦めた「七ッ釜の滝」がある「大杉谷」がどんな場所なのか少し興味があったんだが それを簡単に上から見ることができるだろうし。
紀伊半島は暖かい本州でも南端に位置するんだが さすがに標高1600M超の山だと紅葉も始まっているだろうからな。こりゃ楽しみ楽しみ♪

想像どおり 素晴らしい景色のパノラマラインをトコトコ登り、何の労も無く
大台ケ原山頂に到着~♪
って、平日にも関わらず すごい人だな・・・主に会社を定年したような老夫婦が多いんだが 中には小学生くらいの子供を連れた家族連れ、あと 中年のグループや若い夫婦みたいなのもいるぞ・・・あんたら 仕事は・・・?(←自分の事は棚に上げる男)
そりゃそうと「山頂駐車場」に着いたのは良いんだけれど、ココからでは全く景色が見えないんですけど・・・まわりの人を見ると みんなジャケットや登山帽、パンパンに膨れたリュックサック、いかにもな登山靴で完全な登山スタイルなんですけど・・・
わしは防寒着など持ってないし トレーナーや長袖もこの連日の雨と汗でグチャグチャになったんで 臭くてトランクに丸めているから TシャツにGジャンを羽織っただけなんだがのぅ・・・しかもコンビニが村に無かったから空腹だし。
あとの装備は例によってデジカメと電波の入らない携帯と普通の靴・・・こりゃ「ハイキング気分でナメてかかると尾瀬や大雪山みたいにエライ目に遭う」というパターンか?
さっそくビジターセンターに行って見ると どうやら展望台に行くには2キロ程度のトレッキングが必要らしいな。おまけに仮にも「日本一の豪雨地帯」ということなんで天候が変わりやすく、それなりの登山に似合った格好をするように呼びかけていたぞ。
ま、無いものは仕方がない、と言うことで済ますしかあるまいな・・・この青空で数キロの遊歩道を歩いたくらいでは特には問題あるまい。それにここは仮にも山頂だから そんなにアップダウンがあるとは思えないしな。では念のためにペットボトルを買って レッツゴウだ!!
しかし 50代を過ぎたくらいで体力のまだ残っている壮年の人が 会社を定年で離れた後に奥さんを連れて夫婦でこういう山を歩き回る、というのは実に良い趣味だと思うな。もちろん若くは無いから安全な遊歩道を散策する程度なんだろうけど、傍から見てて羨ましい人生だと思うな。
わしのように40前にして会社をドロップアウトして 一人で思いつきでフラッと山歩きをするのと やっている事は同じはずなんだが 傍から見たら不審に思われてしまうのは何故かしら?この違いは何処から来るのかなあ?
そんなことを思いながら歩いてみたが いやあ、さすが国立公園だな。素晴らしい景色の連続だ。
朝からの散策だったせいか 途中、野生のシカなんかも見かけたが 北海道のシカと違って本土のシカは人なれしていないから わしがデジカメを起動させる前に素早くどこかに隠れてしまうのが実に残念じゃ。わしがシカの気配に気付くより シカがわしの気配に気付く方が早いから仕方がないんだが・・・
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3~40分歩いていくと ようやく真の山頂、
日出ヶ岳が見えてきたぞっ!これでまた一つ、百名山を踏破じゃ!

むはぁ~!! 360℃ 山ばかりと思っていたら こっちの方は海が見えるんだな。
この画像では例によって何のことやらわかんないと思うが 眼下には熊野灘が広がり紀伊半島の入り組んだリアス式の入り江の様子がよくわかるぞ。
周りには名だたる山の数々が幾つも見えるんだが 正直言ってどれがどの山だかは今ひとつわかんないな。晴れればココから知多半島、御嶽山や甲斐駒ケ岳、さらに空気が澄んでいたら富士山まで見えるんだそうな。
ま、そこまで見ようと思えば肉眼では視力がどのくらい必要なのかわかんないけど・・・

この東側に広がる山の谷が三重県の
「大杉谷」なんだが、この山頂からそこに行くルートが延びているらしい。
さすがに名高い秘境なだけあって 登山ルートの入り口には警告の看板が・・・
これを勇気を出して突き進んでいけば このHPにももう少し華が添えられるストーリーが生まれたかもしれないが、そんな危険を冒してまで話題作りをしなければならない義務もないから止めておいたぞ。
少なくともTシャツの上にGジャンを羽織り ポケットにペットボトルのお茶を1本入れただけの手ぶらでヘラヘラと山歩きをしている男が行くルートではなかろう。ココにいる時点で既に周りから浮いた存在なのに・・・
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思いのほか早く頂上に上がったんで これで終わるというのも少し物足りないのも事実・・・まだ体力も時間もあるし 他の自然散策コースもついでに歩いてみるかのぅ。

頂上付近の様子はこんな感じ。
「このあたりが森林限界なのかな?」とか思ったりしたんだが それにしては今現在 枯れているこの樹木は一体いつ生えていたんだ?古代のものとは思えないし・・・
実はこのあたりは昔はうっそうとした原生林だったらしい。1960年代の伊勢湾台風で山頂付近の木があちこち倒され 少し日差しが入るようになると笹が茂り その笹を餌にする鹿が増えて このあたりの木の皮を根こそぎ食い荒らすようになって ついにはこの有様になってしまったんだとか。
伊勢湾台風は ある父娘を別れ離れにさせたり せっかく建てた夢のマイホームを濁流に押し流したりするだけじゃなく、こんなところにも意外な被害を与えていたわけだなあ。(←?)

確か「牛石ヶ原」だと思ったが なぜか建てられていた
神武天皇像。
どこぞの老夫婦が通りすがりの外人のお兄さんに
「アレハ 誰デスカ?」と質問されて
「ヒーイズア ジャパニーズ・・・ファースト・・・エンプティ・・・」とか苦しみながら答えていたのが微笑ましかったな。
「アァ、最初ノ天皇デスネ」とか言っていたんで いいかげんな発音でも意外と通じるものなんだ、と感心してしまったぞ。
って、いうか外人の兄ちゃん 日本語が達者だったのに なんで日本人は外人を見たら わざわざ英語で話そうとするんだろうな?
つくづく思うに わしが質問されなくて良かったぞ・・・。