2017年9月23日

(再録・日本一周記085)2003/09/28・富士山麓にオウム無く・・・

(第85日目)山梨県上九一色村~足和田村~鳴沢村~上九一色村
~下部町~身延町~富沢町

朝6時に上九一色村の国道沿いパーキングにて起床・・・昨夜は一晩中雨が降っていたんだが 目を覚ましたころには雲は多いものの雨はなんとか収まって青空が広がっていたな。
今日の予定としては山梨県の仕上げとして 富士五湖の残りとその周辺の散策だ。
ではさっそく本栖湖から行ってみようかの。

てなわけで本栖湖。相変わらず富士山が雲に隠れて今ひとつだな・・・
なんとなく判ると思うが 本来ならこの位置からシャッターを切ったら 中央部に富士山がででんとそびえ立っている素晴らしい絵が撮れるはずなのだ。

ちなみにこの構図は 五千円札の絵柄と同じ位置から撮っているぞ。

次は精進湖。勘の良い人なら おのずと判ると思うが この写真も当然 雲がなければ素晴らしい富士の雄姿が見えるはずなんだが・・・

この精進湖ではヘラブナとかブラックバスの類のフィッシングが楽しめるみたいで 大学生のようなグループが細いヘラブナ用の釣り竿なんか持ってウロウロしていたな・・・若いのに渋い趣味だと感心してしまったぞ。
最後は西湖。(シャレ?) 

え~っとね、ここもね、雲が無ければ真ん中にね・・・・ うぅ・・(゚ーÅ) (←あ~あ・・・)

しかしここ数日 富士山の景勝地は 箱根から始まって伊豆、富士五湖と 結構日数をかけて回っているのに 一枚も完璧な富士の姿をとらえる事ができないな・・・くそぅ~。

だいたい山に囲まれた山梨県にあって「晴れのち曇り 山沿いでは一時雨」なんてことを言う天気予報が どこまで役に立つのか わしにはよくわからんぞ。


まあ お天道様には逆らえない、ということで諦めるしかないかの・・・今日のメインイベントは実は「富士スバルラインをオープンカーで激走する」ということなんだが 少し雲が途切れるまで どこぞで時間つぶしをするしか無さそうだな。

で、何故かやってきたのは 西湖のすぐ傍、富士の裾野に広大な面積をもつ青木が原樹海だ。

もちろん わしは筋金入りの臆病者なんで 別に自殺死体の捜索に来たわけでもないし 己が人生を諦めて彷徨うためにやってきたわけでもないぞ。






ここは溶岩で出来ている土地なんだが あちこちに風穴があって その中の「西湖コウモリ穴」とかいう天然記念物を散策にきたのだ。

ちゃんとした遊歩道なんで そのような物騒な物体には遭遇しないとは思うが それでも周りをキョロキョロと見渡して 揃えて置かれている靴とか木にくくり付けられたロープなんかが無いかどうかは チェックせずに居れなかったが・・・

これが洞窟の内部。
所々に狭い部分があるんでココに入るにはヘルメットの着用が義務付けられているぞ。

入場料300円にしてはなかなか面白かったが コウモリの住むところは保護区になっていて入れず 残念ながらその姿は一匹も拝めなかったな・・・夕方なら出入りするコウモリも拝めるみたいなんだが。

それにしても朝っぱらから 誰もいないこんな洞窟を一人で探検する観光客って 係りの人に不審に思われたんではなかろうか?





地図によれば 西湖の近くの紅葉台とかいう場所が富士山と湖を眺めるのに絶好の場所らしい。折角だからココもチェックしておいた方が良かろうな。

「車でも通行可能で 頂上に駐車場あり」とか看板があったんで 鵜呑みにしてロードスター号を走らせたんだが ひどい荒れ道で車の底を打たないように走るのに随分神経を使ったぞ。
で、紅葉台なんだが ヒーヒー言いながら頂上に到着して良く見れば ここの展望台は登るだけで150円かかるらしい・・・オマケに「売店で何も買わなければ駐車代を頂きます」とか「150円では変えられない景色が見れます」とかなんとか看板にふざけたことが書かれているし・・・

ま、商売だからそういうこともあるんだろうけど それならそうと登る前に言ってくれないとアンフェアだとわしは思うのだ。わしは車だからアレだけど 歩いてここまでやって来た人に対して失礼だろう。だいたい県の自然遊歩道でそんな個人経営の売店があるというのがおかしいんではなかろうか?

てなわけで張り紙は無視して車だけ置かしてもらい(←いいのか?) 展望台も利用せずに そこから少し歩いたところにある「三湖台」とかいう丘に行ってみる。名前の通り3つの湖が拝める丘だし 有料展望台より標高も高くて見晴らしもいいと思うぞっ♪




わしのデジカメは露光の調節が弱く よくわかんないと思うが 西湖はもちろん (たぶん精進湖だと思うが)遠くの湖もバッチリ見えるぞ。もう一つ見えるという湖が本栖湖、河口湖のどちらを指しているのか不明だが・・・

ちなみにココからの絶景は左の写真、果てしなく広がる青木が原樹海だ。そのスケールには驚くばかりで たしかにこの規模なら一度迷い込んだら二度と出られなくなるのもわかるぞ。



時間と共にだんだん観光客も増えてきて道路も混みだして来たな・・・良く考えたら今日は日曜日ではないか。こりゃ少し早いが レストランが混む昼前に飯を済ませておいたほうが良さそうだな・・・

で、やってきたのが西湖の近くにある道の駅「なるさわ」。 透視能力のある人なら建物の後方にそびえ立っている富士山の雄姿がご覧いただけると思うぞ。

ここではレストランでカキフライ定食(700円)を注文。珍しくも無いメニューなんで写真は割愛させていただくが 道の駅のメニューにしては なかなかボリュームがあって良かったぞ。

ここの道の駅も建物の脇に天然水のサービスをやっているみたいだ。もちろん富士山のミネラル水で その名も「不尽の名水」

ふふふ、コンビニで紙パックの麦茶を買う金が浮いたな♪

右はデザートとして購入した山梨定番の名物、巨峰信玄餅
巨峰は一房250円。高いか安いかよくわかんないな・・・

信玄餅はバラ売りで1包み2個入りで200円。単なる黄粉の蕨餅なんだが まあシンプル イズ ベストってところかな?



さて、いよいよ「富士スバルライン」なんだが・・・

正直言って 雲が覆った富士山を登って肝心の湖が見えないようならガッカリ度がすこぶる高いな・・・先日走った反対の静岡県側五合目登山道路が無料ということを考えたら 往復で2300円(!)も掛かるスバルラインを使うのは無謀としか言えないのは良くわかっているんだが やはり「道路100選」でもあるこの道路を走りたい、というのは以前から思っていたことだし 今日この機会を逃しては今後 走ることはそうそう無いと思うのだ。
一応 この道を通って富士五湖を眺める、というのが山梨県のメインイベントと考えていたからな。

むぅ!ウダウダ悩んでいても仕方ないし やはりここまで来たら走らざるを得ないだろうな!!さらば 2300円!!

スバルラインは河口湖あたりから富士山の五合目までの森林の中を突っ走る道路で 今日のような休日には走り屋さんからアベック、バイクツーリストなんかには格好のドライブコースだ。

ただもう少しパノラマというか 下界が見下ろせるような道路かと思ったが意外に変わり映えしない景色が続くな。富士山の上部が見えてくる4合目辺りからはなかなか良いが・・・

これがスバルライン終点の五合目。お土産屋さんが立ち並び ギャルや子供 お年寄りから外人さんまで さすが日本で一番メジャーな山、というだけのことはあって非常に明るい雰囲気だ。高速道路とアクセスが良いからお客さんもいっぱいだな。

わしは個人的には表富士の少しさびれた五合目の方が好みなんだが・・・
ちょうど雲の一部が切れて 西湖か河口湖のどちらかはわかんないが湖を見ることが出来たぞ。その前にデジカメの露光を何とかしないと全然記録に残せないわなあ・・・

わしとしては眼下に五つの湖が並んだ光景を所望していたんだが どうやらそれは位置的に難しいみたいだな。あと 個人的な希望を言わせてもらえば 雲が多かったり悪天候のときはスバルラインの通行料を少し還元するとか そういう努力をしてみても良いと思うぞ。
富士山の山頂付近にも鳥居があるみたいだが、恐らく車で行くことの出来る日本で最も標高の高い神社 「小御岳神社」
せっかくココまで来たんだから、と 賽銭として「始終ご縁があるように」45円を投入して拝んでおいたぞ。

「富士山五合目限定」とかいう売り文句にコロッとだまされて買った「こけももソフト」(350円) 味はまあ「こんなもんか」という感じかな?

カキフライと信玄餅と巨峰でだいぶ腹が膨れているのに さらにこんなものを食べたんで 1日のカロリーとしてはもう充分だな・・・

むぅ・・・とりあえず「スバルラインを走る」という欲求は満たしたんで それなりに満足なんだが やはりここまで来たら「山頂を踏んでみたい」という気持ちは湧いてくるな・・・
富士山山頂までの行程は約6時間、さすがに大した装備も事前の準備もしてないんで 旅の途中にフラッと登るほどの勇気もないな・・・当然 登山の前に登山計画書の提出なんかも必要だと思うし 単独登山は厳禁、とか書かれているしな・・・一応 わしはこう見えても か弱い心臓病患者だしな。あんまり自覚無いけど。

しかしながら樹海の中を歩くわけでもなし 日中なら寒さと強風さえ気をつければそんなに危険なルートとも思えないし、24時間テレビの影響か 「生きる喜び」というか「何かを成し遂げることの尊さ」を学ばせるためか、登山をする人の中には老人の団体さんや養護学校の生徒の姿も目立つわけだ。(特に正月の御来光なんかは そうだもんな) 

彼らにでも登れる位なら 体中にコレステロールエネルギーの漲っているわしなら時間さえかければそんなに難しいルートでもないような気がするな・・・気のせいかも知れんが。

まあ 富士山登山は今後の人生で もう少し暖かい時期にトライを計画しても良かろう。そのときは装備を整えて 車中泊ではなく ちゃんと宿を取ってから 朝一番に来るようにしようっと。



天界でミスターポポの修行を受けたわしは そのあと下界に降り、やはり「湖上に浮かぶ富士山の写真」が欲しくて本栖湖から河口湖までを何度もウロウロ彷徨ったんだが 結局 富士山は最後まで完全な姿をわしの前に見せてくれなかったな・・・胴の辺りに雲があってもいいから せめて山頂だけ見せてくれればいいのになあ。

あ、そういえば精進湖から山の方面に進んだ芦川村の付近で「上九温泉」とかいう上九一色村の日帰り温泉施設を見つけたな。これは少し興味があったんだが入浴料が700円と少し高かったんで止めておいたぞ。夕方6時からは五百円に値下がりするらしいんだが それまで待っているのも馬鹿らしかったし・・・

しかしこの温泉施設、近くに川が流れていて 何か見たことがあるような気がする光景・・・もしかして かつてこの場をにぎわせた某団体の「ナントカ精舎」の近くではなかったのかな? 今 思えばおまわりさんの姿もチラホラ見かけたしな・・・

その時はめんどくさくて全然考えなかったんだが 上九一色村を去ってから「やはりあの温泉に入っておくべきだった」と猛烈に後悔したぞ。せっかく本場の上九一色村で水中クンバカにトライできるチャンスだったのに・・・

ああ、わしにもう少し勇気があったなら、そしておまわりさんに職務質問されるような怪しい風貌でなかったら もう少しその辺りを挑戦してみたかったぞ。ふふぅ~・・・



上九一色村でガソリン(エネオス 433.8K地点 38.01L / 4070円)を補給したあと 国道300号を通って下部町の峠を越え、その後国道52号を通って身延町というところを通過。
この身延町には日蓮宗の総本山、久遠寺なるものがあるらしいんで ちょっと見学に立ち寄ることに。

これが身延山久遠寺。さすがに日本仏教の代表的な宗派の総本山だけあって なかなか大したものだな。
この身延町もお寺の門前町として発達しているが 山に囲まれて なかなかの情緒に溢れていて雰囲気はグッドだ。

わしは日蓮宗の信徒ではないし 仮にそうであったとしても全然信仰心などはないんだが こういう神社仏閣を見て回るのは決して嫌いではないぞ。こういう町を1日かけて散策するのも なかなか面白そうではあるな。

今日はすでに夕方だったんで 町営の有料駐車場も営業が終了していたし、町も参拝客がいなくなってガラガラだったんで 路上駐車し放題で散策できたから それなりに良しとするか。




これは正式名称は何と言うかメモしてなかったんだが 日蓮聖人の御陵というか宝塔というか 要するにお墓みたいなものだと思う。

信者の方が一生懸命に読経をしていたんで フラッシュ機能をオフにして後ろからコッソリ撮影させていただいたぞ。




日も落ちてきたんで今日はもう少し進んで 静岡との県境近くの富沢町 「道の駅とみざわ」にて夜を過ごすことに決定。

ホントはもう少し進んで静岡県に入っても良かったんだが 明日は三保の松原から散策する関係でこのあたりが適当だろうし、この道の駅は雰囲気が明るくてトラックも多く 夜を過ごしやすそうだしな。

さて、明日はまた静岡に戻るぞ。 ウィークエンドに国道1号の周辺をウロウロするのが嫌だったんだが 少々山梨県で時間を費やしすぎたかな?今後は少しペースを上げないと 山口に戻る頃にはホントに11月に突入してしまいそうな気がするぞ・・・・やれやれ。



今日の一枚・・・
山梨県側の富士山五合目から山頂を望む。
ああ、やっぱり いつかはあの頂に登ってみたいのぅ・・・

走行距離254K
出費金額西湖蝙蝠穴・・・300円
カキフライ定食・・・700円
信玄餅・・・210円
巨峰・・・262円
富士スバルライン(往復)・・・2300円
賽銭・・・45円
コケモモソフト・・・350円
ガソリン給油(38.01L)・・・4070円
計・8237円

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