2017年12月7日

(再録・日本一周記114)2003/10/27・高原へいらっしゃい。

(第114日目)鳥取県関金町~大山町~溝口町~
岡山県八束村~湯原町~勝山町~加茂川町


朝5時、鳥取県関金町道の駅「犬挟」にて起床。

今日も雲ひとつ無い快晴で 朝の放射冷却は厳しかったな・・・昨夜を過ごした道の駅での気温はわからないが トンネルをくぐってすぐのところにある蒜山高原の電光温度掲示板によると 朝7時過ぎで4℃だったな。さすが中国地方随一の避暑地だけのことはあるわい。いや、別に涼みたいわけじゃないんだが・・・

今日の最初の予定は 8月に日本海側ルートを通ったときに 雲に隠れていて良く見えなかった大山周辺の散策だ。
正直言って旅を始めた頃は 山登りなんてしんどいだけなんで 遠めに見れればいいや、・・・なんて思っていたんだが、やはり見聞を重ねていくと山の魅力には計り知れないものがあると気づいてしまったのだ。

もちろん 現状ではロクな装備ももってないし あくまでもメインの目的は「車での日本一周」なんで 片手間に登山をしていくほどの技量も体力もないんだが できる限り名山と言われる山は 山頂まで登らないにしても「散策」というレベルでなら近くに行って見てみたいと思うわけだ。



で、今回はついでに大山の裏手に広がる蒜山高原も どんなところかついでに見てみようと思って、国道482号のルートを通ってみたんだが 凄い霧で視界が100Mくらいしかなく 何も見えない状態・・・

う~ん・・・道の駅のある山の日本海側は雲一つ無い快晴で 朝日に映える大山があまりにもカッコ良かったから勇んで早めに出発したんだが 少し早すぎたかな・・・?
まあ 蒜山高原は別に遊園地や牧場で遊ぶつもりもないし ホントに「どんなところか」と言うのを見ることだけが目的なんで、大山を見た後に戻るときのルートでもう一度立ち寄ればいいか。

モヤで霞む蒜山高原を走り抜け、県道45号の蒜山大山道路(大山パノラマライン)に差し掛かったとき、霧も晴れてついに大山がその姿を現したぞ!

おおっ!なにぃ~!!あれが大山か・・・!!

「マス大山」とは全然関係ないし(?)読み方も違うんだが そんなことはともかく 大山ってあんな形をしてたんだ・・・

恥ずかしながら わしは同じ中国地方に住んでおきながら 大山の形を今まで把握してなかったぞ。大山は過去にスキーで一度、(その時は雪だらけで良くわかんなかったし・・・) それからこの旅の往路で美保関を通ったときは 半分が雲に隠れた姿しか見てなかったんだが、今までフツーの円錐状の山と思っていたし それ以上深く追求もしなかったな。

昨日は真裏から見たんだが 近くで見ると結構谷が多くて荒々しい形をしているんだな・・・いやいや、これはたいしたもんだ。やっぱ国立公園というのは伊達じゃないな。

しかしここはシャッターポイントなのかな?平日の早朝にも拘わらず、にわかカメラマンのオッサン連中が一心不乱にバシャバシャとシャッターを切っていたな。
まあ、これだけの風景を見せられたら その気持ちもわからないではないが あんたら みんながプロカメラマンというわけではなく ほとんどの人はアマチュアの写真愛好家だろ?仕事はしなくて大丈夫なのか?

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紅葉で真っ赤と真っ黄に染まった林の中を通るパノラマラインを進みながら見る大山は また格別じゃのぅ~♪

日本海側を北上した往路の時は 大山が半分雲に隠れていて悔しい思いをしたんだが、今思えば そのおかげで紅葉のこの時期にもう一度来ることになって、快晴の天気で大山を拝めたんだから それはそれで運が良かったのかもしれないな。あの時 大山がスッキリと見れていたら それで満足して今回は足を運ばなかっただろうし。



しばらく素晴らしい紅葉の道を進むと 日本海に面した大山町の大山寺の門前町に到着。このあたりが古社名刹が並び スキー場も数多くある大山観光の拠点となるところだ。

ここには山岳仏教の霊地・大山の中心的存在の大山寺大神山神社、それに古くからある小さな寺がいくつかあるのだ。今は車があるから老人でも誰でも簡単に来る事ができるが 昔はココでもお参りするには大変だったんだろうな・・・

今が紅葉を見るには一番いいシーズンなんで 朝からリュックを背負った登山客がいっぱいいるなあ。平日なんで高齢者の姿が割合としては多いが 中には家族連れやアベックなんかもいるぞ。案外いるもんだな、登山愛好家って・・・。しかし 下から見上げる限り、大山は標高が1700M超で 2000Mには及ばないものの あの崖や尾根、谷はかなりハイレベルな登山技術を求められると思うのだが、案外初心者でも簡単に行けるのかもしれないな・・・

う~ん、正直言って 登って頂上を極めてみたい衝動が起こるんだが・・・今日は腹も空いてるし 昨日の登山で足のマメがまた破裂して痛いから 諦めよう。
まあ、また来年でも再来年でもいいから 落ち着いたら準備を整えてチャレンジしてもいいかもな。

では 例によって今日も画像が多いから 簡単な説明だけ加えてチャチャッと紹介していこう!

 

長い上り坂の参道を登っていくと立派な山門に辿り付くわけだが これが大山の山岳仏教の古刹、大山寺だ。


この建物は昭和になってから火事に合って再建されたものみたいなんだが歴史は古く 最初は718年に金蓮常人という人が修験者の根本道場として この地にお堂を建てたことから始まっているらしい。

それはともかく、境内にあった「願いをかなえる」という鐘だけつかさせて頂いて 賽銭として15円を投入。わしの煩悩が十二分にこめられた鐘の音が 朝の静寂に包まれた大山に響き渡ったのだった・・・
 



大山寺の横から 「日本で一番長い」という石畳の参道を600Mほど上がると 大神山神社というのが見えてくる。



「大神山」というのは大山の昔の呼び名で ココは古来から神様が住む山として崇められていたんだそうな。


権現造りの建物は国の重要文化財。階段の周りは石垣で固められていて 神社というよりは山城に近いものがあるな。ちょっとした要塞みたいだぞ。

この時間帯は日本海側からでは丁度 逆光になってしまうんで 後ろにそびえてる大山は上手く写せないな・・・

と、いうわけで 大山を見ようと思ったら 朝は蒜山高原のほうから、夕方は日本海の方からみると ちょうど太陽を浴びて綺麗な姿が拝めると思うぞ。

大山寺と大神山の間くらいにある金門
崖が真っ二つに割れているんだが 昔はここで修験者が妙な荒行を繰り返していたらしい。

その下を「賽の河原」が流れているんだが やはり独特の雰囲気がある場所だな。

ここから見上げる大山の北崖は素晴らしいんだが やはりこの時間は逆光なんで デジカメではちょっと撮影が難しいな・・・


大山寺から少し・・・いや、だいぶ歩いたところにある「阿弥陀堂」
五間四方、宝形造りの建造物で国の重要文化財。

それ以上の細かいスペックは控えてなかったんで覚えてないぞ。

ココは大山に登る「僧兵ルート」とやらの夏山登山道の入り口あたりにあるんだが ここにいくだけでも結構しんどかったぞ・・・


しかし意外と言っては失礼だが 想像以上に魅力的な山だな、大山・・・

今回は寺社参りが目的だったし これで去ってしまうんだが いつかちゃんと装備を整えて登ってみたい山リストに加えておこう。

これは帰り道に西側にある桝水高原から見た大山の様子。ここからでは大山単体の姿しか見れないんだが それでも思わず車を止めて見入ってしまうほどのなかなかの姿だ。

いやいや、今まで九州や信州、北海道などの雄大な山を見てきて 正直言って大山にはそこまでの景観を期待してはいなかったんだが 今回はかなり満足したな・・・。
これほどの山が中国地方にあることは もっと誇りにしてもいいのかもしれんなあ。


大山を見た後は鳥取県側には特に用も無いんで 進路を再び岡山県の瀬戸内ルートに戻さないといけないんだが その前に霧が晴れて視界がよくなった蒜山の道の駅にやってきたぞ。

ちょうど良い時間になったんで ここにある道の駅「蒜山高原」の蕎麦屋で昼食をとることに。



これは岩魚の甘露煮と天ぷらがセットになった ずばり「定食」というメニューだ。(850円)

ネーミングを考えれば もう少し数が出るメニューだと思うんだが・・・

品書きにも「何の定食か」ということが一切書かれてないから 客としても少し頼みにくいと思うぞ。

わしは「定職が欲しい」という気持ちから思わず注文してしまったんだが、なかなか和風で美味かったな。うん。

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さて・・・・今日は大山の散策の他に 2箇所ほど目玉があるわけなんだが、軽く汗もかいたところで次の目的地、湯原町の湯原温泉に向かうとするかのぅ~♪
ふふふ・・・(←なぜか含み笑い・・・)

湯原温泉は湯郷温泉、奥津温泉とならんで「美作三湯」として数えられているわけだが、ネットで調べたところによるとココは露天風呂で有名なところなんだそうな。今回の目的はもちろん その露天風呂に入ることなんだが、「全日本 露天風呂番付」(そんなものがあったのか・・・)で西日本の横綱として君臨している その実力がいかなるものなのか、この目で この肌で確認しなくてはなるまいッ!!


お、あったあった♪

湯原温泉はダムの下に流れる川にわいている温泉で この施設は町が地元の温泉組合の協力を得て 一般に無料で24時間何時でも入れるように開放しているのだ。なんという太っ腹・・・

絶対無料!絶対露天!絶対混浴!

いやいや、さすが横綱を張るだけのことがあって なかなかのものだな。お湯の温度も2種類あって申し分なし。効能はいろいろあるみたいだが あまり硫黄臭くも無くサラリとしたお湯だ。なんか川の水がそのまま地熱で温められているだけのような気もするが、まあ細かいことは気にすまい。

じゃ、恒例のサービスカットだな・・・


 どっこらしょっと・・・・はひぃ~~~♪(←オヤジ・・・) 

いやいや、長生きはするもんじゃのぅ~・・。

ちなみに この湯原温泉は有名なんで若いギャルもチラホラいるわけなんだが 水着は厳禁

実はこの日も20歳前後と思われるギャル2人組がバスタオルを巻いて温泉を楽しんでおられて まるで観音様が降臨なされたかの如く あまりに恐れ多いお姿を拝見させて頂いたんだが 「一緒に写真を撮ってもらえませんか?」という一言が言えなかった 勇気の無いわしを許して欲しいぞ・・・
「畏怖」という言葉はこういうときに使うんではなかろうか?(そうか?)

いや、やっぱりわしは勇気が持てなかった自分が許せないな!!こんなむさ苦しい自分の入浴シーンがこの旅行中に随分と貯まってしまったが、己の裸体を見ても何の意味もありゃしない事に今更ながら気が付いてしまったぞ。

くそー、あの時 勇気を出して記念写真を撮っていれば一生の思い出になったのにのぅ・・・ま、あとで彼女たちの知り合いと思われる男性が現れて そいつがちょっと窪塚クン似で 不用意に怒らせると殴られそうだったんで 下手に声をかけなくて正解だったかな?どうでもいいことだがな・・・



次に向かったのは勝山町にある 落差110Mの中国地方随一の名瀑、神庭(かんば)の滝だ。

ここはNHK大河ドラマ「武蔵」のロケでも撮影に使われたらしいが、湯原温泉からも近いし 特別名勝でもあるらしいんで これは見ておかねばなるまい。

神庭の滝一帯は自然公園になっていて 滝を見るためには公園の入場料として300円を払わなければならないらしい。そういうところが少しマイナスポイントなんだが 西日本って結構そういう滝が多いな・・・特に「滝百選」の滝には。
まあ 公園には野生のニホンザルがいたりするらしいんで そのあたりで和めればいいか・・・

で、これが「神庭の滝」

流れ落ちる崖のところどころに岩が飛び出しているんで 単調な一本水にならずに複雑な形をしながら水が落ちていく、まさに名勝だ。

確かに素晴らしい滝には違いないが、まわりの崖に崩落の危険があるというんで 遊歩道の途中までしか行けずに滝壷までは拝めなかったな・・・猿もどこかに隠れてて1匹もお目にかかれなかったし それならば入場料を少し割り引くとかしても良いと思うんだが・・・(←せこいぞ)



この公園の入り口から260Mほど山を登ったところに「鬼の穴」という洞窟があるらしいんで ついでに登ってみた。



「鍾乳洞」というほどのものでもないんだが 岩が浸食されて出来た穴で、中は結構広く遊歩道も50Mくらい延びていたな。

何がどう、と言うわけでもないんだが なかなかワクワクさせて探検させてもらったし ちょこっと琴線に触れてしまったんで 画像だけ置いておこう。

いや、ホントに単なる洞穴で 何があるというわけでもないんだがな・・・



この後は 今日の寝床となる加茂川町道の駅「かもがわ円城」に向かうんだが、ついでに加茂川町の少し南西にある「吉備高原都市」なるものを見に行く。

ここは わしの地図でも観光地マークがしっかり付いているんだが 解説が何も無く、どんなところかサッパリわかんなかったから ちょっと調べに行ったのだ。

結果的には未だ建設途中の計画都市で まだ見どころになるような場所も無いようだったな・・・まあ かなり長期間に渡って開発をしている「筑波学園都市」みたいなものだと思って良いんではないかな?


道の駅「かもがわ円城」では レストランも時間切れで閉店してしまって 「何か食うものはないか?」とウロウロしていたら 名物「さばずし」(850円)なるものがあるのを発見。

サバは好物なんで 喜んで夕食として購入してしまったんだが、包みを開けるとご覧のような 包丁で切られる前のデッカイさばずしが一本丸々と入っていたな・・・

まあ サバが好きだから良いんだけど・・・包丁を持ってないんで これを節分の太巻きのごとく 適当に決めた恵方に向かって一気食いをして夕食完了。

なんか以前にもウッカリ丸ごとのサバ寿司を購入して 同じように一気食いしたような記憶があるんだが・・・デジャブかな?



今日は早起きして山を歩き回ったんで 疲れて夕方の6時過ぎに車の中でダウンしてしまう。もう5時半を過ぎたら 山の中は深夜となんら変わりが無いからなあ・・・

明日は吉備を抜けて 岡山県南部の瀬戸内側のルートを西に移動する予定だ。おそらく山に比べて混む道のりだとは思うが 明日にはなんとか広島に入れるかな?



今日の一枚・・・
蒜山・鬼女台展望所から見た大山(奥)と烏ヶ山(正面手前)

走行距離227K
出費金額大山寺駐車場・・・410円
賽銭・・・18円
道の駅蒜山高原・定食・・・850円
コンビニにてお茶・パン・その他・・・1081円
神庭の滝公園入場料・・・300円
鯖ずし・・・840円
計・3499円

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