2017年9月20日

(再録・日本一周記082)2003/09/25・屈辱の恋人岬!

(第82日目)静岡県松崎町~西伊豆町~加茂村~土肥町~修善寺町~戸田村~沼津市~富士市


道の駅「花の三聖園 伊豆松崎」にて朝5時頃 起床・・・

くわっ!やはり今日も雨模様のようだな・・・天気予報では「静岡地方を中心とした雨雲」なんて言っているし、この様子では今日一日 天気の回復は望めまいなあ・・・

こういうときは折角の素晴らしい伊豆の風景も思うように散策できないし、かといって伊豆半島をさっさと切り上げて富士山のほうに向かっても余計しょうがないもんなあ。

やはり雨が過ぎ去るまでは何とか伊豆で時間を費やして 天気の回復を見込んでから山の方に行くのがよかろう。しかし雨で風景が充分に堪能できないのであれば 温泉を中心に行動するしかあるまい。きっとそうだ、そうに違いない、そう決めたんじゃ!

と、いうわけで 例によってパソコンをちょこちょこっといじったあと、昨日 位置だけは確認しておいた 漁港にある露天風呂「平六地蔵温泉」を堪能すべく 8時頃に出動。

これが漁港のすぐ近くにある町営の無料露天風呂、石部温泉の「平六地蔵温泉」。岩の上に鎮座しているのが平六地蔵らしいな。

松崎町にはわしがちょこっと確認しただけでも3つの無料露天風呂が存在するみたいだが この平六地蔵は一番メジャーな存在みたいで 昨日入った雲見温泉みたいな夏季限定の海水温泉と違い 3月から11月までが入浴可能みたいだ。(たぶん 手入れの関係で真冬は入れないんだろうな)

ちょっと楽しみにしてきたんだが ちょうど今日は週一度の掃除の日、ということで 近所のオバチャンがわらわらとやってきて お湯を抜いて掃除をはじめてしまったんで入浴不可となってしまった・・・そうとわかってれば日の出前に来たのに・・・

「2時間くらいで新しいお湯に入れるよ~」と言われたんで どこぞで時間を潰して もう一回来るとするか・・・

で、時間を潰すため、というか どちらかといえば本日のメインとして考えていた場所なんだが ここから一番近いと思われる景勝地、西伊豆町堂ヶ島に先に行くことに。



・・・・と、その前に 堂ヶ島公園に向かう手前で「堂ヶ島温泉 露天風呂」と書かれた看板を発見してしまう。

むぅ・・・堂ヶ島にも温泉があったのか・・・ホントにどこでも温泉が湧き出ているんだな、伊豆半島は。

なんか町営のちゃんとした露天風呂施設で 入浴にもキチンとお金がかかってしまうみたいだが やっぱり露天と聞いて黙って見過ごすわけにもいくまい。
これが普通のホテルや旅館などの民間施設なら無視するんだが 町営のような公的な温泉であれば十分わしのチェック対象になるのだ!

 ・・・なんか崖の上にそれらしき小屋があるな・・・

港の集落の外れにある沢田公園の崖の上に建てられたこの温泉は入浴料として500円かかるらしい。維持費、というか景色を見るための代金、と考えた方が納得できるかもしれんな。

しかし平六地蔵という無料露天風呂の存在を知りながら あえて500円を払ってココに入るのも馬鹿らしいような・・・しかし景色だけは良さそうなんで話のネタにはなるなあ・・・

う~ん、入るべきか入らざるべきか、悩みどころよのぅ・・・・


 お~っ! 絶景、絶景♪


ここからは海のパノラマが素晴らしく 堂ヶ島も一望できるな。堂ヶ島の観光遊覧船から丸見えで 観光客と手を振りながらコミュニケーションを取るのが可能だぞ。こりゃ楽しい。

ちなみにここの露天はちゃんと仕切りがあって女性客も安心して入ることができる。そういう意味ではお手軽なんで なにげにオススメな露天風呂だな。

雨の中 海を見ながら露天風呂というのもオツではあるな・・・こんな天気だから他に客もいないし まさに貸しきり状態・・・
・・・とか喜んでいたんだが、雨と湯気の中、少しはしゃぎながらデジカメを撮りまくっていたんで デジカメ内部に水分が入ってしまい このあとしばらくは撮影が不可能になってしまったぞ。
なんだかなあ・・・



小一時間 堂ヶ島温泉の露天風呂を堪能したんで 平六地蔵はもう良かろう。それよりもデジカメを何とかしなければHPの更新に重大な支障が出てしまうな。
と、いうわけで 蒸し暑い雨の中、車のヒーターを全開にして 通風口にデジカメを置いて水分を飛ばす作業を2~30分。

雨の中 温泉効果と暖気運転で一人汗だくになりながら なんとかデジカメ復活。さて、それでは堂ヶ島の散策をするかのぅ。

これが堂ヶ島。さすがというか風格というか、思わず目を奪われてしまう風景だな。人気があるのもわかるわい。

遊覧船に乗って島巡りをするのがベストなんだろうが 遊歩道も完備されているんで陸から眺めながら散策するだけでも充分たのしめるぞ。

堂ヶ島だけでも1日遊んで時間を潰すのに充分な見ごたえがあると思う。まあ どうしても時間を持て余すようだったら 近くにある「加山雄三ミュージアム」に行くのもいいかもしれん。(←実は覗いてみたくてしょうがなかった わし・・・)

くそぅ~、わしも神奈川に住んでいたとき もっとよくこの辺りを散策しておけば良かったなあ。


少し沖に浮いている島を三四郎島と言うらしいんだが この島が干潮時に陸続きになる現象を「トランスフォーメーション・・・・

ではなくて 「トンボロ現象」と言うんだそうだ。訪問時はちょうど干潮少し前で 三四郎島に歩いて上陸することができたぞ。

右の写真は陸地となって繋がった橋の部分から堂ヶ島を眺めたところ。ここは丸っこい石が多いんで滑りやすいから 運動靴なんかを履いて散策するのがオススメだな。
遊覧船乗り場から歩いてすぐのところにある天窓洞。この洞窟の中も遊覧船が通るコースになっている。

雨の中、ここを遊覧船がくぐるシーンを撮ろうと 何分かずっと待っていたんだが いくら待っても船は来なかったな・・・

実はこのときは大雨で遊覧船も客が全く来ずに ずっと発着所で待機していたのだ。
くそ~、そうとは知らずに雨の中 こんなところで何分も馬鹿みたいに待っていて損したぞ。





雨もジャンジャンとひどくなってくるし、堂ヶ島も堪能したんで急いで次に進むとしよう。次は加茂村黄金崎だ。

ここはご覧の通り、「プロピライト」とかいう赤土のような地盤になっていて これが夕日に当たると金色に輝くことから「黄金崎」という名前になっているんだとか。

今日みたいな雨の日は全く輝くことも無く、表面の土砂が雨に流されて海も黄土色に濁っていたな・・・それでも特異な光景であることには間違いないか。
ちょうどお昼どきだったんで 黄金崎のレストハウスで昼食などをとることに。

これはここで頂いた いちばん手ごろな価格と思われるメニューの「干物定食」。アジの干物がメインなのか味噌汁に入っていたカニがメインなのか良くわかんない一品だ。
 
こんなでっかいカニが味噌汁に入っているとわかっていたら たぶん頼まなかったろうな・・・(←カニが苦手・・・)
わしの好きな魚の干物も あまり食い応えが無かったし。


・・・さて、黄金崎を見たあとは いよいよ土肥町に進むわけだが・・・ついに伊豆半島最大の難関がやってきたようだな。

アベックのメッカ、「恋人岬」だな。

ここは北海道の愛冠岬同様、彼女のいない むさくるしい野郎が一人で観光に来るには少々辛い場所なのだ。

「だったら行かなきゃいいじゃない」と思う人もいるだろう。もちろんわしだってそう思っているぞ。しかし日本を一周する上で「辛いから行かなかった」と安易に逃げる事は許されないことなのだ!

たとえ一人であろうとも 周りのいちゃつくカップル達が白い目で見ようとも 岬の先にあるという伝説の「愛のチャペル」を拝まずにはこの旅に終わりはないのだ!

うっ! このゲートから発せられる 威圧感というか、まるで封印の札が貼られているかのごとく わしの侵入に対して「おまえは不釣合いだ!帰れ!」と言わんばかりの無言の圧力は一体・・・

耳を澄ませば このゲートの向こうからはアベックのイチャつく声とチャペルの音が響いているではないか・・・うぅ、確かに髭面のオヤジが一人で進むには磁石の同極のような反発力を感じてしまうな。




肉体的にはなんとも無かったが 心には深い傷を負ってたどり着いた これが恋人岬の「愛のチャペル」だ。 
いかに冒険者なわしでも さすがに一人で鐘をならす勇気はナッシング・・・

どうでもいいけど鐘の下に小銭を置くのが やはり若いアベックと言えども日本人らしいところだな。
敵ながら憎めないやつらめ・・・(敵?)



これは恋人岬のすぐ近くにあった「達磨寺」

なんでも日本一のダルマが祭られている、というんで ちょっと見てみようと立ち寄ってみたんだが 肝心の巨大ダルマを見るには別途 拝観料がかかってしまうみたいだな・・・

金を払ってまで見たいとは思わなかったんだが 駐車場に車を入れた瞬間に案内役のおっちゃんが飛んできて あれこれ説明しながら付きまとっていたんで 一円も落とさずに立ち去るのも心苦しくなって賽銭として11円を投入。(せこいぞ)

右の写真は「悪いところに水をかけると御利益がある」とかいう達磨大師像。
これみよがしに頭から何度も水をかけさせて頂いたぞ。ふふぅ~・・・

ここからロードスター号は海岸線を離れて 何故か山の方に向かうことに。

まあ せっかく伊豆に来たからには 露天風呂などのマニアックな温泉もさることながら 一つぐらいは有名どころの温泉も入っておかないと 余生を過ごすときに他人にあまり自慢できないからな。

昨日 修善寺を散策したときに公共浴場の場所をチェックしておいたんで ちょっと試しておきたかったのだ。どうせ雨だし あんまり行程を進めても景色が見れないと勿体無いからな。

で、これが修善寺の立ち寄り湯の「筥湯(はこゆ)
誰でも気軽に修善寺のお湯が楽しめるように、と 最近建てられた施設みたいだが 総桧造りでなかなか趣があってグッドだ。

ただ 入湯料350円は良心的な価格だと思うんだが まわりに無料駐車場がなくて、どうしても止める場所が見つからない場合 となりの民間駐車場に400円払わなくてはならないのが納得できないな・・・

あと ここは石鹸やシャンプーの類を使って良いのかどうかわかんないところもアレだったな。排水をそのまま川に流すような造りの気もするし、浴室にも洗面台という感じのものは無かったからなあ。

わしが入ったときも10人くらいいたんだが みんなタオル一枚で誰も髪や体を石鹸で洗い流す人がいなかったから わしも湯に浸かるだけにしておいたぞ。
いや、そういう流儀なら それはそれで構わないんだが・・・
昨日は開店前で食べれなかった 修善寺名物 紅谷の温泉まんじゅう。1ヶ70円。

人気があるんで早く買わないと売り切れの危険もある、という話だったんだが 運良くバラで2個ゲットできたぞ。ふふふ・・・



さ、温泉も堪能したし、雨も全然止まないんで 今日はさっさと切り上げて明日に備えた方が良さそうじゃのぅ。

てなわけで再び海岸線に戻るのだが 写真は途中で見かけた戸田村での光景。上が「戸田峠」で下が「出会い岬」だな。

どちらも「今日の一枚」に使ってもおかしくないくらい絶景なんだが 「晴れていたら」とか「紅葉がもう少し進めば」というのが どうしても悔やまれるなあ。しょうがないことだけど。

ちなみにこの先にある大瀬崎あたりは富士山の眺めが素晴らしく プロのカメラマンも写真を撮りに来るほどの定番となっているらしい。当然 今日は富士山のかけらも見えなかったがな。

さて、惜しむらくは伊豆ともこれでお別れなんだが いやいや、なかなか充実していたな、伊豆・・・正直 これほど良いとは思ってなかったぞ。もっと若いときに遊びに来ておくべきだったな。恋人岬はともかく・・・

これからは日も暮れてきたんで 国道一号を進んで道の駅のある富士市まで一気に進むんだが その前に沼津市でガソリンを給油。(JOMO 355.1K地点 37.8L/3969円)

その後 靴屋を見つけたんで ぼろぼろになった安全靴に見切りをつけて 新しいトレッキングシューズを購入。

今まで履いていた靴は前の会社の時からずっと履いていたんで愛着もあるんだが さすがに山歩きなんかで酷使してボロボロだし ゆるくなったんで歩くたびにマメはできるし靴下の寿命は思い切り短くなるし 今日みたいな雨だと少し歩いただけで水が入ってシュポシュポと気持ち悪いし・・・出費は痛いが こういうものはケチッていてもしょうがないもんなあ。



夜6時半、富士市の道の駅「富士」に到着。

さすがに国道一号のバイパスにある道の駅だけあって トラックや一般車で混雑しているなあ・・・ま、安心して眠れそうではあるが。

天気予報では明日は昼から天気も回復に向かう見込みらしい。静岡県の地形と交通の要所ということを考えれば このまま浜名湖まで一気に進むのは無理があるんで 明日から週末にかけて 富士山を横切って山梨県に向かう予定だ。

本当に明日は晴れてくれればいいな、と思いつつ 降りしきる雨の中 10時ころに睡眠活動に入るわしであった・・・



今日の一枚・・・
達磨寺にて。これほどお似合いのカップルは恋人岬にも見当たらなかったぞ。

・・・・ほっといてくれ (T_T)

走行距離168K
出費金額コンビニにてコーヒー・菓子・お茶・その他・・・600円
堂ヶ島温泉露天風呂・・・500円
干物定食・・・550円
達磨寺賽銭・・・11円
西伊豆バイパス・・・200円
修善寺温泉・・・350円
修善寺駐車場・・・400円
紅谷温泉饅頭(2ヶ)・・・140円
ガソリン給油(37.8L)・・・3969円
天玉うどん・おにぎり・・・550円

(特別出費)
靴・・・3045円
計・7270円
(特別出費・3045円)

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