2020年5月28日

【山口県の滝データ】山口市(旧小郡町)の滝・八方原の滝

山口市小郡上郷八方原
落差 2M



じんじんさんに教えていただいた小郡の八方原地区に流れ落ちる小滝。落差は2Mくらいしかなく 滝というのもおこがましいんだが、信仰の匂いが感じられる素朴な雰囲気がなにげに気に入っているぞ。

この滝に関しては2008年3月1日付の地域コミュニティ情報誌、「サンデー山口」の記事が詳しいんで そのまま無断で転記させていただこう。

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小郡上郷の高山造庭園裏の山中に名もなき小さな滝があり、そこには不動明王・馬頭観音・十一面観音の3体の石像が立ち並んでいる。これらの石像は95年の台風の際に、折れた木があたって滝つぼへ落ちてしまったが、12年の時を経て、山の所有者・原田温子さん(68)を中心に地元有志や工事業者らが協力して復旧。この度、整備が完了し、あす2日午前10時から同滝でお祝いの祭りが開かれる。

 小郡上郷八方原の猿ヶ馬場地区にあるこの小さな滝は、昔は地元の子どもたちの遊び場になっていた。また、滝周辺には不動明王・馬頭観音・十一面観音の3体の石像と拝み小屋があって、信仰の場「八方原のお不動様」としても知られていたが、年々訪れる人が減っていき、今では同地区のわずかな人が知るのみとなった。


 この不動明王の石像は、現在の山の所有者・原田温子さんの曽祖母にあたる原田タミさんが、大日教会小郡支部・四百田連妙氏らと共に瀧光徳寺(佐賀県)へ参詣した際に、夢で“お不動様”から「不動明王を建立すれば、症状が悪化している足も良くなる」とのお告げを聞き、1933年に夫の栄作さんらと建立したとされている。
 その後も信仰する人たちの手で守られてきたが、95年、大型台風の直撃で周辺の木々が折れ、石像に覆いかぶさるように倒木。3体とも滝つぼへと落ちてしまい、横の小屋も吹き飛ばされてしまった。


 復旧を願う人々が元の位置に戻そうと努力するも、1?もある石像を持ち上げるのは容易でなく、起こすのが精いっぱい。それでもできることはしようと、滝までの山道の草刈りや整備は続けたが、像は長年そのままの状態で置かれていた。


 そんな状況が10年ほど続き、半ば現状復帰を諦めかけていたところ、原田さんの知人で、たきぎ用の木を探していた人がこの話を聞き、滝周辺の倒木を切り出してくれることに。2年がかりで木が撤去され、滝の周りが安全できれいになった07年12月、事態はさらに急展開を見せた。ちょうど同じ山で鉄塔の建設工事をしていた職人たちが、落ちたままになっていた石像を滝の上まで運んでくれたのだ。これに併せて、原田さんらも滝へと続く山道に案内板と下り坂に階段を設け、石像にはそれぞれの「真言」を書いた札も立て、作業は無事完了。滝と石像は12年の時を経て元の姿に戻った。


 これを記念し、信仰する人たちは約50年ぶりとなる「八方原お不動様お祭り」の開催を決定。あす2日午前10時から同滝で、瀧光徳寺住職を招いて執り行われる。原田さんは「お不動様のご縁があってか、たくさんの人が協力してくれ、とても感謝している。お祭りには地元の人だけでなく多くの人に参加してもらい、八方原のお不動様を知ってもらいたい」と話している。

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