2017年10月6日

(再録・日本一周記094)2003/10/07・飛騨け!さるぼぼンキッキ

(第94日目)岐阜県久々野町~高山市~清見村~白川村~高鷲村~白鳥町


朝6時、久々野町の道の駅「飛騨街道なぎさ」にて起床・・・。

ここんとこ毎日同じようなことばかり言っているが やっぱり飛騨は山の中だけあって冷え込みがきついぞ。寒さで目を覚まして寝起きと共に車のエンジンをかけてHPを仕上げてコーヒーなど一服。

ついこの前まで ノートパソコンを膝の上に置いて作業していたらズボンが汗で濡れて困っていたんだが 最近は半身浴効果で温まるから意外とこの時間が貴重だったりするのだ。

8時に最初の散策地、飛騨の中心都市 高山市に向けて出発。わしも「飛騨高山」という言葉は聞いたことがあるが どのような都市かは全く予備知識がないからなあ。実はちょっと楽しみではあるのだ。



国道41号を走っていくと 程なくして高松市に突入。

地図によると高山の代表的な観光地は「飛騨民族村」なる施設らしいんで それを目当てにしてたんだが 道路標識で「古い町並み」とかいう表示があるのに気づく。やはり歴史のある町だから やっぱ観光のために昔ながらの街並みを残しているんだろうな。

今のところ高山市では観光では「民族村」しか頭に無かったし 久しぶりの市制都市に行くんで 銀行に行って金をおろしたり ネットに繋いでメールチェックやHP更新分のアップロードもしなければいけないし 後輩からの頼まれ事なんかも全部そこで済ませるつもりだったからな。
市街地に入ったついでに「古い街並み」とやらを車で流してみるかのぅ・・・どうせヒマだし。

・・・で、その名もズバリ、「古い町並み」という通りに到着~♪ でも 余計なお世話かも知れないが もう少しネーミングは考えた方が・・・

・・・ほほぅ。確かに町並みが古いな・・。

しかし予想以上に保存運動が徹底されていて かなり見ごたえは高いぞ。
なんとなくノスタルジックというか 懐かしい空気を感じることができるな。これくらい情緒溢れた城下町も少ないんではないかな?

ちょっと通り過ぎるだけでいいかな、と思っていたが これはじっくり見学しても面白そうなんで 駐車場に車を置いてフラフラと散策することにしよう。



右上はこの「古い町並み」地区のシンボル的存在の「中橋」
観光客がまず最初に記念写真を撮る場所だな。

その下は小高い山の上にあった「高山城跡」

左下の写真は「高山陣屋」で 当時の高山の隆盛ぶりを感じさせる一品だな。

ちなみにこの陣屋の前では朝市が行われていたが これも観光名物の一つらしいぞ。

飛騨で忘れてはならないのが やっぱ「さるぼぼ」だな。

知らない人のために解説すると 「さるぼぼ」というのはサルのボボのことだ。「ボボ」というのは九州の方言で・・・
・・・いやいや、なんでここで他所の土地の方言が出てくるんじゃっ!そうじゃなくて、「さるの赤ちゃん」のことを飛騨の言葉で「さるぼぼ」というらしいぞ。なんか風水みたいなラッキーアイテムらしい。
ま、「佐川急便の飛脚に触ると良い事がある」と言う迷信と似たようなものだな。

ちなみにこれは「さるぼぼキャンディ」。 う~ん、欲しい・・・

お土産に買っても良かったんだが なんか車のトランクにしまいこんで何日も放置しておくと 溶けて奇形児になりそうな気もするしな・・・(←危ないなあ・・・)

実は前の会社の後輩から「飛騨に行ったら金は払うから さるぼぼを買って宅急便で送ってくれ」という指令を受けていたのだ。さるぼぼ自体は岐阜に入ってから、というより富山や長野でも度々見かけてはいたんだが やはり本場の飛騨高山で買うのが正統派であろう。それにココに来るまで銀行で金がおろせなかったし。

それにしてもなかなか愛くるしいキャラだな、さるぼぼ・・・

観光地の常で 「ハローキティ」や「リカちゃん」「ドラえもん」のさるぼぼバージョンもあったが それを選んで後輩に送るのもどうかと思うし ああゆうのは著作権の使用料なんかで ワンランク小さいサイズでも値段はワンランク高いからな。ここはやはり正統派のさるぼぼをセレクトして、と・・・

ふと思いついたんだが ボブ・サップとタイアップ契約をして「ボボ・サップ」または「さっぷぼぼ」というのを作ったらヒットしないかなあ?商売になる時期は短そうだけど。

結局 なんだかんだで2時間くらい町並みを見学して小腹が空いて来たな・・・。
と、いうわけで 土産物屋の食堂で名物の「高山ラーメン」(600円)などを頂いてみたぞ。

ふふふ・・・実は昨日、一昨日と 乗鞍や上高地を歩き回った時に 無性にラーメンが食いたかったんだが、高山に来ることを考えて じっとガマンしていたのだ。

細いちぢれ麺に正統派の醤油味で あっさりした味だったな。わしは味に鈍感なんで良くわかんないんだが、喜多方ラーメンとどう違うんだろうか?
いや、美味かったから良いんだけどね・・・。

さ、思った以上に市内を堪能したし、いよいよ当初の計画どおり 「飛騨民族村」とやらに行ってみるかな!!



「・・・。」

これは「民族村」の前に立ち並んでいる土産物屋のマスコットなんだが もしや予想に反して「忍者村」とか「江戸村」みたいな娯楽テーマパークか? などと思ってしまったぞ。
どんな施設かわからずに入場料700円を払って入るのは かなりの勇気が要ったが、中は一応 考えていた通りのマトモな文化施設だったからホッとしたな。

広大な敷地の中に合掌造りの家を点在させ 飛騨の伝統的な文化を保存する目的で作られた施設・・・それがこの「飛騨民族村」 通称「飛騨の里」だ。

単なる「昔の風景の再現」かと思ったら これらの家はダムに沈む前に移築したり 所有者の協力を得て譲渡されたりした れっきとした文化財だ。現に重要文化財の指定を受けている家も多数あるぞ。
テーマパークというよりは「見て学べる博物館」という意味合いが強いな。

今日はこの後で世界遺産の白川郷に行くんだが、「気軽に合掌造りの家の中に入って 飛騨の伝統文化を実際に見て触って知ることができる」、という意味では ココの方が内容は濃いかもしれないな。白川郷は世界遺産というだけあって立ち入り制限が厳しく 中に入ることが許可された住居も有料だったりするし・・・

「移築したもの」なんだが本物には違いないし 一軒一軒がテーマを持った展示をしているんで 見て回りやすいし面白い。ここにある住居を全部見て回ると かなり時間がかかるぞ。

このおっちゃんはワラジ作りの実演をしているが その他にも染物、一刀彫り、日にちによっては伝統舞踊なんかのショーもあるみたいだ。
ほふぅ~~・・・

わしの実家は わしが高校生のときに立て替えたものなんだが、立て替える前は築ン十年の古い家で ココとは規模も全然違うし地域も全然違うけど こうやって佇んでいると なんかこう懐かしい感じがするよなあ・・・

たとえば梁が剥き出しの天井とか ふすまを開けると全ての部屋がつながってしまう構造とか 碍子が剥き出しの電気とか 歩くとミシミシと音を立てる床とか 入り口を入ってすぐ炊事場があるところとか 仏間の存在とか・・・
今の子供はそういうのを知らないんだろうな。

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さて、「飛騨の里」の散策も終わって いよいよ今日の最終目的地、世界遺産の合掌造り集落のある白川村に向かうとしよう。

と、そのまえに ルート上にある清見村で立ち寄った道の駅「ななもり清見」で 「飛騨牛の串焼き」などを頂く。
一本300円。美味いけど高ぇ!!

朝食 兼 昼食のつもりで高山市で食べた高山ラーメンが 600円の割に量が少なくてコレで補おうかと思ったんだが 中途半端に食ってしまったんで余計に腹が減ったぞ。おかげでまたコンビニでおにぎりなどを買ってしまったではないか・・・

清見村から古川町を抜けて国道360号の天生峠とやらを越えて白川村に入ることにしたが この天生峠、観光地でもなんでもないんだが かなり渓谷美と紅葉に見ごたえのある すごい峠だな。
たしかにアップダウンとカーブも凄いんだが・・・

改めて思うに この旅を始めてから特に痛感するんだが 単に「山の緑が好きだ」と言っても植林された針葉樹と自然の広葉樹では全く意味も価値も違うな。
林業をしている人は反論もあるかもしれないが やっぱ自然の動物にとっても ひいては人間にとっても自然にとっても これ以上 広葉樹林をなくしてはいかんと思うのだ。

あ、写真は天生峠で見かけた「天生中滝」(あもうなかだき)。デジカメ映像ではなんだか普通だが 滝の規模はともかく まわりのプチ紅葉が綺麗だったんで思わず車を止めて撮ってしまったぞ。


峠をぐるんぐるんと走りつづけ白川村に到着だ。
走行距離は全然たいしたことは無いんだが なんせ峠がきつかったんで 意外と時間が掛かってしまったな。

白川郷に行く前に とりあえず道の駅「白川郷」で尿タイム。

さすが世界遺産の村だけあって 道の駅も合掌造りをモチーフにして藁葺き屋根とは・・・
あと この道の駅は無線LANにも対応したフリースポットエリアというのも凄いな。さすが世界遺産の村、とでも言うべきか・・・


閑話休題・・・

これが白川郷の合掌作り集落地区だ。
さすがは世界遺産だけあって規模と迫力が違うな。そろそろ日も傾きかけてくる時間なんだが 観光客もまだまだ多いし。

以前、富山県に行った時、五箇山の合掌造り集落を見たんだが、面積の広さはこちらの方が上かな?
ただ 面積が広くて合掌作り住居の数も多く 集落の真ん中に国道が走っているだけあって、五箇山よりは俗っぽくなっているのが気になったぞ。

仕方のない事なんだろうが 合掌作りの家に混じって中途半端に新しい家があるし 住んでいる住民も多い分 車の往来も多い。どこを撮ろうと思っても観光客や住民の車が必ずフレーム内に入ってしまうし、道路も普通のアスファルトなのが少し興ざめしてしまうなあ。

「世界遺産の合掌作り」といえば 五箇山より白川郷の方がメジャーだから観光客も多いんだろうが そのせいか「昔ながらの住居」なのか「観光のためにわざわざそういう形態に作られた土産物店」なのかがわからない建物もあったし・・・。

わしの非常に個人的な感想では 山に挟まれて村の中でもさらにその集落だけ完全に隔離された五箇山の合掌作り集落のほうが 素朴と言うか日本の原風景に浸るには上だと感じたな。狭い集落だからアスファルトの道路を昔風に舗装しなおしたり 完全に住民以外の車の進入をシャットアウトできたり 徹底した保存運動が可能なんだろうな。

白川郷も観光案内所のある集落のメインストリートから少し離れたところは まわりを畑や田んぼに囲まれて かなり良い雰囲気なんだが 「この辺りはこのまま観光化・世俗化が進まなかったらいいな」、と思うのは 住民の気持ちを何も考えてない よそ者の我侭かなあ・・・

しかし このような僻地の中でも より一層 交通の不便な地域の方が生活の移り変わりを妨げ 逆にそのことが観光資源となって人を呼び込むんだから 皮肉と言うか何と言うか・・・もちろん 住んでいる人の「伝統文化を守ろう」とする努力の賜物が ユネスコにも認められた、ということなんだろうけど。



さて、ひととおり今日の予定も終わったし、これから何処に行くという時間でも位置でもないんで そろそろ今日の寝床の道の駅を探すとするか・・・

本当は白川村の西にある日本三名山の一つ、白山を見ておきたかったんだが 2~3日前のニュースでも流れていたけど 道路が土砂崩れで完全にシャットアウトされてしまったんで 復旧するまでは近づくことすら出来なくなっているのだ。

せめて遠くから写真だけでも・・と思ったが このあたりは立派な峰を持つ山が連なっているし 真下の道路からでは遠近感がつかめずに どれが「白山」なのかイマイチわからず・・・せめてどんな形をしている山か、くらいは知っておけば良かったな。



途中、高鷲村道の駅「大日岳」で普通の中華丼(注文してしばらくするとレンジの音が聞こえたぞ・・・まあいいけど)などを夕飯代わりに頂き 夕方5時半頃、白鳥町の長良川の傍にある道の駅「白鳥」に到着。

明日のこともあるし 今日はこの辺りで夜を過ごすのが一番適当だろうな。「大日岳」よりは町の中にあって雰囲気も明るいから過ごしやすそうだし・・・

さて、明日は手始めに この白鳥町の「阿弥陀ヶ滝」から散策する予定だぞ。最近は良い感じに天気に恵まれているが 都市ではなく山の中にいる間は何とか晴天を保ってもらいたいのぅ。
ふふぅ~~・・・



今日の一枚・・・
世界遺産・白川郷で見かけた2匹の妙なさるぼぼ。
・・・こいつら、ほんとにいろんな所に行ってるんだなあ。(←感心しているらしい)


走行距離163K
出費金額目覚めのコーヒー・・・120円
高山市営駐車場・・・600円
高山ラーメン・・・630円
飛騨民族村駐車場・・・300円
飛騨民族村(飛騨の里)入場料・・・700円
飛騨牛 串焼き・・・300円
コンビニにてお茶・オニギリ・その他・・・703円
白川郷 村営駐車場・・・500円
中華丼・・・500円
計・4353円

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