2017年7月28日

(再録・日本一周記057)2003/08/31・はるばる来たぜ 函館・・・

(第57日目)室蘭市~長万部町~森町~七飯町~鹿部町
椴法華村~恵山町~函館市~恵山町



道の駅「みたら室蘭」にて起床。まわりの車中泊の人のことも気になるんで そそくさと移動し、HPの作成したあと 誰もいない地球岬を散策してみることに。

「誰もいない」と書いたけど やっぱりトイレ近くの芝生にはライダーがテントを張って野営していたな・・・

「地球岬」という名前はなかなかカッチョいいんだが 本当の名前はアイヌ語を語源とした「チキウ岬」とか あるいはナントカカントカ・・・とかいうらしいが メモしてなかったんで忘れたぞ。(アイヌ語の名前はややこしくて覚えられん・・・)
ま、早い話しが当て字なんだが 360度のなかなかの展望を誇る人気景勝地らしい。

「地球を丸く感じる岬」とかいうキャッチフレーズで旅人の心をくすぐる宣伝をしているみたいだ。

たしかに展望台で水平線を望めば 思わず 「僕から逃げようとしても無駄さ。だって地球は丸いんだもんっ!」・・・とかいうフォーリーブスの名台詞が頭に思い出されてしまうぞ。

この辺りはイルカやクジラの回遊するエリアなんで運がよければウォッチングできるかも知れないらしい。
わしも少々ウォッチングしてみたが 運だけではなくて視力も5.0くらい必要ではないかと思ったぞ。まいっちんぐだ。

下はこの岬から見た室蘭の朝の風景。室蘭という町は平地ではなくて入り江と山と海と崖に囲まれた面白い場所で発達した都市なんだな・・・

見る方向によって工業地帯だったり水平線だったり奇岩ばかりの風景だったり、と 景色が全然違うんで面白いと思ったな。
祝津展望台などで白鳥大橋などを鑑賞した後、室蘭を出発して南下を開始。しばらくして長万部の町に到着~。

「長万部」と言えば わしなどは「おしゃ、まんべっ!」とか叫んでいた由利 徹の姿くらいしか頭に浮かばないわけだが、どうやら由利徹以外にもカニが名物らしく 国道5号沿いのドライブインはカニラーメンとかカニしゃぶとか、カニ料理をアピールする幟があちこちに立てられているぞ。通称「カニロード」とか言うんだそうな。

わしはカニを食うとアレルギーが出る体なんで それは「関係ないねっ!」と柴田恭兵のマネをしながら無視して、と・・・。

長万部町に入ったとたんに どういう理屈かわからないがガソリンの単価が10円くらい一気に下がったんで ここでガソリン給油。(モービル石油 359.3K地点、30.0L/2974円)



「なんか面白いスポットないかな~?」と ガソリンスタンドでもらったペラペラのガイド本を見てみると この長万部には「世界にただ2つしかない」という天然記念物、石灰華ドームがあるらしい。

「石灰華ドーム」って言われても どうゆうものか皆目見当もつかないし、そのドームがある名湯「二股らじうむ温泉」というのも少し気になるな・・・どうせ他に特に予定もないし、ちょっくら見るために車を反転させて山の方に入ってみたぞ。

国道5号を長万部の町と反対方向に走り、途中 山道を進むと「二股らじうむ」へ向かう道との分かれ道にぶつかる。それを更に進んでいくと このように見事な大自然が・・・確かに雰囲気は「いかにも秘湯」だぞ。

でも 観光バス用に道路はちゃんと舗装されているから安心だ。途中からだいぶ細くなるからマイクロバスなんかはキツイと思うが・・・

そのうち一軒の温泉施設にぶつかるんだが これが「二股らじうむ」だ。建物自体はあまり写真うつりが良く無さそうなんでココでは割愛。

「名湯100選」の二股らじうむ温泉がどのようなものか 少し興味があったんだが 入浴料が1000円だったんで却下。

でも老人クラブのマイクロバスや乗用車の出入りは多くて 結構繁盛しているみたいだったぞ。
ではご覧頂こう。愛嬌たっぷりでポーズをとるキツネ・・・ではなくて キツネが座っているこの丘が どうやらその「石灰華ドーム」らしい。と、いうか このあたり一帯が全部そうみたいだ。

わしは もっとこう、溶岩ドームみたいなモコモコしたものを想像していたんだが・・・なんかなあ。

ただ 特筆すべきなのは「ここのキツネは妙に人間慣れしている」ということだな。(ドームと関係なし・・・)

2~3匹は常にいるみたいだが おそらく施設の従業員か観光客からしょっちゅう餌をもらっているんだろう。客が車でやってくると どこからともなく現れて車の後ろをトコトコついてくるし 帰り際にはやっぱり車の近くまでやってきてウロウロしているぞ。

で、車がココから立ち去るときには このドームの上に乗っかって 「なんかくれ~」というような目つきで見送ってくれるのだ。近づくと逃げるくせに・・・。

ああ、北海道に来てこんなにキツネと会うチャンスがあると最初から判っていたら 温根湯温泉の「キタキツネ牧場」など無理していかなくても良かったかなあ・・・
「ま、こんなもんだろ」と 二股らじうむ温泉を後にして ふたたび国道に戻るべく細い山道を走り出すことに。

しかし このあたりは静かでノンビリしていて良いところだな~・・・などと思いながら 山道のカーブを曲がった、まさにその時!!

・・・道路のど真ん中でキツネが昼寝をしている姿を発見・・・直前でこちらの車に気づいて振り向いたキツネと目が合っちゃったぞ。

あわてて急ブレーキを踏んで「キキキィーッ!」という凄い音と白煙をタイヤから立てながら急停車したが、間に合わず ゴロゴロとシャーシの下を物体の転がる いや~な音が・・・

(゚o゚;) や、やっちまった・・・わしは今まで犬も猫も轢いたことはなかったんだが まさかドライバー歴18年にして初めての過失致死がキツネとは・・・

「キツネだけに憑かれないかな?」なんて思いながら車を降りようとすると 下から慌てふためいたキツネがダッシュで飛び出して森の中に逃げていったぞ。

おお、なんだ生きていたのか・・・とりあえずビッコも引いてなかったし血痕とかもないし よく考えたら「轢いた」と思ったときに車の先っぽに何も衝撃も感じなかったから 下を転がしただけで済んだようだな。良かった良かった。

車一台通るのがやっとの山道のカーブなんで スピードがたぶん30キロも出てなかったし 急ブレーキを踏んでキツネを巻き込んだときは ほとんど止まる寸前だったからな。あれでキツネが道路のど真ん中じゃないところに寝てたり もう少し俊敏だったらタイヤに巻き込んで絶命させていたかもな。

ふぅ・・・まったく、いろんなところが縮み上がったぞ。北海道で運転するときは「警察と動物には気をつけろ!」と結構言われたんだが 警察は確かになんども張っているのを見かけていたんで用心していたが まさか野生のキツネがあそこまでノンビリしているとは思ってなかったな。

晴れている日はアスファルトの上が結構あたたかいんで 寝るのはわかるんだが、ど真ん中で寝てるし 車の音がしてもなかなか動かないんだよなあ・・・あれじゃ犬や猫より道端に転がっている轢死体の数が多いわけだ。

二股らじうむ温泉に行った時に なんでもない山道のど真ん中に不自然に綺麗な2本のタイヤ痕が残っていたら それはわしの車が急ブレーキを踏んだときについたタイヤ痕だぞっ!





延々と国道5号線を走らせ南下していくわし・・・
渡島半島は日本海と太平洋、噴火湾に挟まれて その上まんなかに山脈も走っているから 少し走るだけで天候がコロコロ変わるんだな。空が広いから「あっちは晴れ、こっちは曇りで向こうは雨」というのが なんとなく見えてしまうのが凄いな。

遠くを見ると駒ケ岳のまわりをドス黒い雲が覆っていたんだが 案の定、森町についたときは雨に見舞われたぞ。

ここで昼食でも取ろうと森町の道の駅「YOU・遊・もり」にて休憩。

この道の駅にはレストランがなく スナックコーナーにもピピッとくるメニューがなかったんで「どうしようかな~」と思っていたら オバチャンがテントを張って弁当を売っていたぞ。
テントの前には地元のTV局の取材を受けたときの写真とか 新聞や雑誌に紹介された、という記事が貼られていたが・・・

で、これが「大評判」とオバチャンが自信をもって販売していた「ほたて弁当」。値段がかかれてなかったんで良く見てみると 小さく1個1000円という価格シールが貼られていたな・・。
それを見た途端 おいそれと手が出ず 何度もテナントのまわりを行ったり来たりして迷いに迷った挙句に購入した一品だ。近づいては去っていく行動を何度も繰り返していたんで 販売しているオバチャンも「なんとかこの男に一個売ってやる」と思っていたんじゃないかな?

ホタテをそのまま揚げたフライが5個乗っかっていて 大変ゴージャス。なるほどTV局が話題として取り上げるのもわかるような気がするな。

味も美味かったし 内容からするとこれで1000円は安いと思う。
・・・安いとは思うが やっぱり「一個1000円の弁当が昼食」というのは わしの脳にはプログラミングされてない事項なんで 購入するには相当の勇気が必要だったな。
あれで店先にでっかく「1000円」とか書かれていたら 近づきもしないで立ち去ったろうし・・・。

利益率の問題もあろうが 凝った容器をやめて ホタテを4つにしてもいいから 700円くらいで売ると飛ぶように売れると思うぞ。

雲に隠れた駒ケ岳を横目に見ながら 七飯町の大沼国定公園に到着。

展望台や湖の周りをうろうろしてみたが この湖は円形ではなく入り江がいっぱいあるいびつな形をしていて さらに小島がいっぱいあってなかなか面白いな。
バックの駒ケ岳も映えるし 遊覧船なんかに乗ってみてもいろんな景色が楽しめて面白いかもしれん。

わし的には日暮山という展望台からみた風景がオススメ。
日暮山というのは なんでも「あまりの絶景に時の経つのを忘れてしまって 気が付いていたときには日が暮れていた」というのが名前の由来だとか。

どうでもいいけど「沼」と「湖」の違いって どこで区別するんだろうな?



次に立ち寄ったのは亀田半島の鹿部町にある「しかべ間欠泉公園」

ココには約6分ごとに15Mほどピュ~ッと吹くジャガーな間欠泉があって 学習室では「駒ケ岳の噴火で生まれた軽石をモチーフにした」という いかにもぞんざいなデザインのマスコットキャラ、カールス君が間欠泉の吹き上げる仕組みについてビデオでわかりやすく説明してくれるぞ。

湯を吹き上げる間の待ち時間は 無料の足湯にでも浸かってノンビリ待つのがオススメだ。 わしが行ったときはオバチャン連中がベンチを全部ぶん取って 長々と足湯を占領していたから試せなかったが・・・



さて、今日は函館に向かう経路の最後の道の駅、恵山町の「なとわ・えさん」で夜を過ごすつもりなんだが その前に椴法華(とどほっけ)村にあるという「海にある無料露天風呂」の「水無海浜温泉」とやらを見ておきたいわけだ。

海岸線を走る国道278号を進み トンネルを越えて椴法華村に到着したとたん 目の前に恵山が見えてきたぞっ!
う~ん・・・  

わしは恥ずかしながら「恵山」という山は見たことも聞いたことも無く その存在を昨日まで知らなかったんだが こりゃあどう見てもバリバリの活火山じゃないか・・・

おそらく大沼から先は函館に行くまで特に見所も無いだろう、とか思っていたが こんな隠し球があったのか、北海道よ・・・。

下の写真は道の駅からみた反対側の恵山だ。昭和新山のような岩石剥き出しの独特の赤い色をしておるのぅ。

近づくと温泉があるだけあって硫黄のにおいがプンプンするし、こりゃ相当期待できそうなポイントじゃ!

じゃ、早速 「水無海浜温泉」に行ってみるとするかの!

露天風呂♪露天風呂♪(←温泉好き・・・)

 ・・・・・。

これがその「水無海浜温泉」らしい・・・なんかクレーン車がエッチラオッチラ作業なんかをしていますが・・・?

それに肝心の温泉部分が無いんですけど・・・

などと思ってよく見てみると どうやら今の時間は満潮で湯船に当たる部分が水没しているらしい・・・その時間帯を狙って この温泉を整備する工事が始まっているんだろうな。

この上に更衣室と潮の満ち干きを書いた掲示板があるんだが 入浴できる時間も干潮の時のみ、湯加減は潮の満ち干きによって自動制御されるんで入浴希望者は黙ってその温度にしたがって入浴するしかないぞ。

今の状態では温まったお湯が全て流されて とても入浴できるような状態ではなかったな・・・

それに純海水だし 温まるのはいいけど シャワーでもないと 入った後が大変そうだな・・・無料露天風呂というのは魅力的だが 今回はやめておこうかの。

ちなみにここは「大自然の中で生まれたままの姿で入るのがオススメですが 恥ずかしい人は水着もOK!」・・だそうな。

このときも数人の女性客が「入れなくて残念ね~」なんて言っていたから 普段も女性が多いことが安易に予想されるぞ。海パンは用意しておいた方が無難だろうな。「どうしても見せたい」という人には特に強制しないが・・・


その後 恵山町の道の駅「なとわ・えさん」に向かう。時刻は4時だが 今から函館に向かっても五稜郭やトラピチヌス教会は見れないだろうし だいいちあんな都市部では無料駐車場を探すのも一苦労だから寝床に困ってしまうな。

今日は少し早いけど ここで過ごそう、と 夕食としてレストランで「ニシンの開き定食」(880円)などをオーダー。小骨と格闘したあと ベンチに座って夕日に照らされる恵山などを見ながら しばし放心状態に・・・



・・・・・・・・・・・う~ん、、、、

よくよく考えたら 函館を目の前にしながら「ナポリ・香港と並ぶ世界3大夜景」と称された函館の夜景を見ずにこのまま北海道を後にするのは 少々もったいないんではなかろうか?大学時代にゼミ旅行で来た時に見ているはずだが あの時はわしもまだ物心がついてなかったしな。(そうなのか?)

そう思い立って 薄暗くなり始めた午後6時すぎ、恵山町を後にして函館に向かう。
1時間弱で7時前に函館山に到着~♪さっ、夜景を見るぞ!!

と、思ったら やっぱりものすごい人だかりが・・・なんか交通整理が行われていて函館山には一般車両は10月のオフシーズンまで夕方から乗り入れができないらしい。うぅ、知らなかったぞ、そんなこと・・・。

駐車場もどこも満車で止まることすらできないじゃないかっ!くそ~、地元の函館ナンバーの車両が観光客向け駐車場に溢れ返っているのに 山口ナンバーのわしの車があぶり出されるとは なんたる理不尽、なんたる屈辱・・・

このまま夜景を見ないで立ち去るのは わしのアドベンチャーマインドが許さないんで 夜景の見えそうな場所を求めて全く土地勘のない夜の函館を彷徨うことに。

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最初に向かったのは函館市を見下ろす丘の上にあるラブホテル街だ。

「綺麗な景色を見ながらムードを盛り上げる演出」なんて、人の欲望を食い物にしている資本主義の考えそうなことだから、きっと見晴らしのいい場所にあるに違いあるまい。

・・・たしかに見晴らしは良いんだが 微妙に木々が邪魔してカメラアングルが今ひとつ良ろしくないな・・・きっと部屋の窓からでもみれば絶景なんだろうが、まさか不精ひげを生やした男が一人 夜景を見るためだけに このようないかがわしいホテルに入るわけにもいくまい。
壁の上によじ登って見てみたい気もするが それじゃ単なる犯罪者だからな・・・

あーだこーだブツブツいいながら ラブホテル街を彷徨っていたんだが 次から次にホテルに吸い込まれていく車を見ていると 泣きたくなるほど空しくなってきたんで退散することに。あれだけホテルが繁盛しているのに 日本が深刻な少子化に悩んでいるのが信じられないな。

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次に向かったのが やっぱり小高い丘にある 聞いたことも無いような大学のようなところ。

おお!さすが聞いたことも無いような名前の大学だけのことはあるな。金にモノを言わせて良い立地条件の場所に校舎を構えておるわい♪ここからは町まで少し距離はあるものの、障害となる民家や木々もなく なかなか展望がよろしいぞ。

まわりにココ以上に標高の高そうなポイントもなさそうだし、夜に見ず知らずの町で夜景の良く見えるポイントを探す上で もうココ以上の場所は望めまいな。ふふふ・・・

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・・・・う~ん、、、素晴らしい夜景であることは認めるんだが、これってどこにでもあるような都市部の夜景と大差ないんじゃないのか?とても「100万ドルの夜景」というほどの価値があるようには見えないが・・・

思うに やっぱり函館山からみる 凹レンズのような形をしたあの風景じゃないと意味ないんだろうな・・・なんかさんざん走り回ったんだが もう苦労してまで見たいとも思わなくなってしまったぞ・・・
2時間ばかり夜の函館を彷徨ったあと、夜景には興味を失ったんで寝場所となる駐車場を探すことに・・・

結局 わしの寝床となるにふさわしいパーキングにめぐり合えず 気が付いたら恵山町の夕方までいた道の駅「なとわ・えさん」に戻っていたぞ。 

一日の最後にえらく時間とガソリンを無駄に使ってしまったな・・・だからわしは都会が嫌いなんじゃ!



この日は結局 10時過ぎに道の駅に到着し 腹が立ってきたんで即 睡眠にはいることに。

ま、函館の夜景は大学時代のゼミ旅行で一度見ているはずだから もういいだろ。(だいぶ記憶が薄れてきたんだがな・・・)
明日はその函館をチョロッと見て回り、いよいよフェリーで本州に戻るぞ!くはぁっ!!



今日の一枚・・・
日暮山の展望台から見た大沼。駒ヶ岳は雲に隠れて写せず。

走行距離478K
出費金額コンビニにてパン・お茶・その他・・・729円
ガソリン給油(30.0L)・・・2974円
ホタテ弁当・・・1000円
しかべ間欠泉公園・・・300円
にしんの開き定食・・・924円
計・5927円

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